坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

マンガ

ドラゴンボールを考える⑨~「未来トランクス編」3:『復活のF 未来トランクス編』とバッドエンドの意味

『復活のF 未来トランクス編』は、「昔、フリーザという者がいた」という、トランクスのナレーションで始まっていた。 ここで気づくべきである。 未来トランクスは復活したフリーザのことは知らないはずである。未来トランクスの時代は、現代に行って悟空達…

日本型ファンタジーの誕生⑱~『僕だけがいない街』1:これは不幸な人々の物語

『僕だけがいない街』の主人公藤沼悟が幼児の時、よく小学1、2年生の女の子と遊んでいた。 その女の子アッコねえちゃんはある時、「悟ちゃんは二番目に好きなの。ツトムくんっていう、ケッコンするって決めた男の子がいるの」と悟に言う。 「ツトムがいなく…

「戦争と平和を考えるマンガ」②~『ヨルムンガンド』

主人公のヨナは、武器商人のココ・ヘクマティアルの私兵として世界中を旅する。「私が武器の扱い方を教えてやる」とココはヨナに言う。 「ココはなぜ武器を売る?」と尋ねるヨナに、「世界平和のため」とココは答える。 少年が年上の女性に教えを受け、導か…

ドラゴンボールを考える⑧~「未来トランクス編」2:悟空がキスしたことがない理由

えーっ、フリーザ生き返った~!!!Σ( ̄□ ̄;) って3ヶ月前のことで俺はwww。 予測をたてると、鳥山はは必ず予測を裏切ってくる。もう『DB超』について断定的な予測はしない。( ̄ヘ ̄メ) 「未来トランクス編」で悟空はは第10宇宙に行き、ザマスと戦う。 実…

日本型ファンタジーの誕生⑰~「救うべき人間の発見」と「ノスタルジックでない昭和」と「昭和臭の男」

『ひぐらしのなく頃に』で、古手梨花は殺される運命を回避するために時間を何度も巻き戻す。しかし巻き戻された時間では、それぞれ異なる展開をしても、最終的に古手梨花が殺される結末は変わらない。最後の最後で、奇跡的に古手梨花が殺される宿命を回避す…

日本型ファンタジーの誕生⑯~『進撃』6.新しい日本人の創生

『進撃の巨人』(以下『進撃』)16巻で、ケニー・アッカーマンの祖父は「その中枢を占める家々以外にあたる大半の人類は、一つの血縁からなる単一の民族であり、壁の中には大多数の単一民族と、ごく少数のそれぞれ独立した血族が存在する」ことを明かした。 …

「戦争と平和を考えるマンガ」

拡散希望をしなかったのにこんなことを言うのは気が引けるのだが、 弁護士が無能すぐるww④ - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 にブクマのひとつもないのはおかしくないか? 原爆でない長崎を舞台に~西炯子『姉の結婚』 - 坂本晶の「人の言うことを聞く…

原爆でない長崎を舞台に~西炯子『姉の結婚』

冒頭で坂のある風景が描かれている時点で気付くべきだったのかもしれないが、『姉の結婚』の舞台である中崎市とは長崎市のことである。それは作中に大浦天主堂や平和記念像、軍艦島が登場することでも明らかである。 『娚の一生』でも、角島という架空の街を…

ドラゴンボールを考える⑦~「未来トランクス編」1:「未来トランクス編」は「魔人ブウ編」のリベンジマッチ!?

あ、悟飯脱落しちゃった( ̄▽ ̄;)、 ドラゴンボールを考える⑤~『宇宙サバイバル編』の予想と『復活のF』 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 での予想は外れた。ディスポを倒したのは当たったけど 道連れだし、フリーザとの共闘だし。 まあフリーザは地…

日本型ファンタジーの誕生⑮~『亜人』2:女を救うのは男の本能である

『亜人』で一番好きなキャラは田中功次である。 最初はむしろ嫌いなタイプだったけどいつの間にか好きにって何愛の告白してんだ俺はwww。 もちろん好きになった理由もちゃんとある。 最初の頃の田中 ワルソ~。 この頃の田中は人を殺すのが平気で、長い間人…

ドラゴンボールを考える⑥~「破壊神シャンパ編」

現在、アニメでは「宇宙サバイバル編」が佳境に入っているが、こちらは三週遅れくらいの「破壊神シャンパ編」www 悟空が先鋒となり、ボタモに勝利するが、第6宇宙のフリーザであるフロストが毒針での動きを封じ、悟空の場外負けとなる。 一見、悟空が戦いの…

日本型ファンタジーの誕生⑭~『寄生獣』

人の顔だと思ったのが割れて歯の生えた口や触手になる。またはぐにゃりと変形して怪物になる。90年代にヒットした岩明均の『寄生獣』もまた、日本型ファンタジーの誕生に影響を与えた作品である。ある時、空から謎の物体が降りてきて、地上に降りて蛇のよう…

日本型ファンタジーの誕生⑬~『東京喰種』:1金木研は神代利世とセックスする

いやーやっと『東京喰種』を書ける。連載の方はもう終わろうとしてるけどwww 『東京喰種』は、日本型ファンタジーの作品群の中で、私の一番お気にの作品である。日本型ファンタジーの中で最も奥が深い。 実写映画で霧島董香役だった清水富美加は、宗教の道に…

『娚の一生』『姉の結婚』

いつの時代も、文化は若者のものでなければならないと思う。 しかし高齢化の時代には、若者が文化の中心でありながらも、中高年の文化に占めるシェアが大きくなる。この点、『娚の一生』と『姉の結婚』は成功した作品と言える。 しかし、成功したこれらの作…

日本型ファンタジーの誕生⑫~「魅力的な悪役」

おそらく『ガンダム』以降だと思うが、マンガやアニメにシャアのような「魅力的な悪役」が登場するようになった。 機略に長け、時に犠牲を顧みず、自分の目的に邁進する「魅力的な悪役」達。 私にとって一番の「魅力的な悪役」やはりベジータ、それもナメッ…

日本型ファンタジーの誕生⑪~『亜人』:永井圭

『亜人』は一巻では原作が三浦追儺、作画が桜井画門となっており、二巻以降から原作、作画共に桜井画門となる。 なぜそうなったのか、講談社は語っていないが、想像を広ければ、設定は三浦が行ったが、作品にテーマを与え、テーマに基づいたストーリーに変え…

小池田マヤ『しのぶもちずり』

小池田マヤの『しのぶもちずり』は労作である。 傑作ではない。しかしこの作品は、作家の使命感がある。 それは「主人公にならない人間を主人公にする」というものである。 創作とは既成のものを打ち破るものであり、そうである以上紋切り型の作品を作る作家…

ドラゴンボールを考える④~『神と神』編:強くなるビルス

まずはこのOPから なんかすぐ削除されてしまいそうだけどww それでもアニメのOPのままで視聴するのがいいだろう。 『限界突破×サバイバー』に代わるまで、約1年半『ドラゴンボール超』(以下『DB超』)のOPだった曲である。 OPは大体据え置きで、EDは1クー…

日本型ファンタジーの誕生⑩~グロテスクな怪物たち

昔あるブロガーが「虫も子供の頃から慣れ親しんでいれば、大人になっても虫に触れるようになる」と言っていたが、私は違うと思った。 私は子供の頃に平気で虫に触っていたが、今は全く触れないからである。 ただ、なぜ子供の頃に触れた虫に、今触れないのか…

消失する父親像

矢沢あいの『NANA』を特徴づけているのは、登場キャラの自由さの他に、登場キャラの孤児率の高さにある。 大崎ナナは母親は4歳の時に蒸発し、父親は全くわからない。祖母は15歳の時に死んでいる。 本城蓮(レン)は捨て子、高木泰士(ヤス)は両親を交通事故…

ドラゴンボールを考える③~ヤムチャは戦力外!?

昔大学の後輩が、名前は忘れたがドラゴンボールに影響を与えたか影響を与えられたかというアメコミの話をしたことがあった。 「へー、それどういうマンガ?」 と私が聞くと、 「ヤムチャがいっぱい出てくるマンガです」 と後輩。 ヤムチャ!? その頃私はネッ…

日本型ファンタジーの誕生⑦~アイアムアヒーロー②

『進撃の巨人』(以下『進撃』がマキャベリズム的な冷酷さを打ち出すことで、逆に作品に生命力の強さが打ち出されているのに対し、『アイアムアヒーロー』には自殺が多い。 アウトレットモールで、村井はBB弾が切れると橋から飛び降り、カメラマンの荒木は少…

「ヒロシマ」は「この世界の片隅」ではない

『この世界の片隅に』は、話題になった時に一度買い、古本屋に売った。 今回映画になって、映画は見ずにもう一度マンガを買った。 読んでみて、新たに気づいたことがある。 すずの婚家は、戦時中の一般的な家庭の姿ではない。 私もそうだが、すずのようにぼ…

ナンセンスギャグの限界~『暗殺教室』

出欠確認と同時に始まる一斉射撃。 不意討ちでターゲットの命を狙う生徒達。マッハ20のターゲットは生徒達の攻撃を難なくかわす。 ターゲットは最高の教師。殺せんせーの指導で、生徒達は勉強にも自信をつけていく。 勉強も暗殺も一生懸命。まかり間違って流…

ドラゴンボールを考える②~悟空はギニューに10倍界王拳を使っていない

日本型ファンタジーの誕生⑥~ドラゴンボールを考える① - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 で述べたように、『DB』は悟空がピッコロと天下一武道会で戦う時まで、実にゆったりとストーリーが進行する。 孫悟空を中心とした、読んでいて読者が安心できる…

日本型ファンタジーの誕生⑥~ドラゴンボールを考える①

『ドラゴンボール』(以下『DB』)は最初は盗賊や世界征服を企む集団などを敵としていくが、長期化するにつれて物足りなさを感じてきたところで、ピッコロ大魔王が登場する。 ピッコロは世界の王となった後、「犯罪をするのも自由」とする。 世界征服とは税…

日本型ファンタジーの誕生⑤~アイアムアヒーロー①

『アイアムアヒーロー』4巻で、鈴木英雄と早狩比呂美が、ZQN化した比呂美のクラスメイト二人に襲われる。 ZQNとなった可南子が比呂美と英雄に襲いかかるが、もう一人のZQN、紗衣が可南子に噛みつき、紗衣の意図が不明ながらも、比呂美と英雄を助ける格好にな…

日本型ファンタジーの誕生④~戦後の平和主義的正義観を変えたガンダム

戦後のストーリー作品で勧善懲悪をテーマとした作品で、『ウルトラマン』などに登場する怪獣の多くは、猛獣をイメージさせるキャラクターと思われる。 猛獣は本能に従って行動しているだけだが、人間にとって有害なので駆除する。怪獣達も本能で行動している…

日本型ファンタジーの誕生②~主人公を傷つけるヒロインと距離感のあるヒロインたち

日本型ファンタジーのヒロインについて考える時、私が思い出すのはこのマンガである。 小池田マヤ「不思議くんjam」の感想を書いてみた - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 では書いてなかったが、『不思議くんjam』ではヒロインが主人公のライバルと肉体…

『進撃の巨人』を考える④~日本型ファンタジーの誕生①

『進撃』16巻で、囚われたエレンは自分の持っている巨人の力「座標」が、レイス王家の者でない自分が持っていても「世界の記憶」を引き継ぐことができないことを知る。 「世界の記憶」を継承した者は、その記憶を人類に広めることができるが、それをした者は…