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坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。新ブログ「人の言うことを聞くべからず」+を開設しました。古代史、神話中心のブログです。

書評「日出る処の天子」

f:id:sakamotoakirax:20140313054812j:plain何度もこの作品を読んだが、そのたびに面白かったり、それほど面白くなかったりした。そのことをずっと不思議に思っていたが、ある時気付いた。この作品は超能力が重要な要素となっているが、超能力は負の感情と連動している。厩戸皇子は母の愛情の欠如が、蘇我毛人は罪悪感が、超能力の大きな原動力となっている。そして負の感情は、同性愛と連動しているのである。少女マンガで同性愛を描いたのは、山岸涼子が最初らしいが、山岸自信そのケがあるようで、同性愛感情に罪の意識を持っていたらしい。多分に時代の産物であって、もし現代ならば、「日出処」のような作品は生まれないかもしれない。私はノンケで、それまでBLなどは読んでいなかった。このマンガは抵抗なく読めたが、その後少女マンガのホモセクシュアルのマンガを読んで、強い抵抗を感じたので驚いた。このマンガを抵抗なく受け入れたのは、主人公が男に見えないせいもあるが、同性愛に対する罪の意識と超能力を連動させたことが大きいだろう。
私はあらゆるジャンルのなかで、ヒューマニズムが一番だと思っている。勿論これは私個人の考えでしかないのだが、ヒューマニズムを一番のストーリーであるならば、最高のヒューマニズムは、救いのない人が救われる物語だろう。厩戸皇子は、自分の子孫がことごとく絶えることを知っている。そして愛する者と結ばれないことも悟った後は、ひたすら仏にすがっていく。救われない人を救おうとして、なおかつ救えずに、救われようとあがく姿を描く。これ以上のヒューマニズムがあるだろうか。
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