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坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。新ブログ「人の言うことを聞くべからず」+を開設しました。古代史、神話中心のブログです。

日はまた昇る氏、Mukke氏の記事について~沖縄独立論、基地問題を問う

たまたま、日はまた昇る氏の

分離独立運動は流血を招く(前) - 日はまた昇る

を読む機会があり、この記事を書いた。本来なら後編の記事がアップされるのを待って書くべきだが、待ちきれないので、日はまた昇る氏の意見を先読みする形で記事を書くが、ご容赦を読みが外れたら、それに合わせてまた記事を書きます。
また日はまた昇る氏の記事自体が、Mukke氏の

沖縄の民族自決権行使を支持する - Danas je lep dan.

の反論なので、当然Mukke氏の記事にも触れていく。

私は昨年の

沖縄県知事選挙、開票前に - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

で述べたように、沖縄が分離独立を求めるならば、それに賛成する。この点、「ヤマトから微力ながらも沖縄の自決権行使を支持します」と述べたMukke氏と同意見である。また沖縄独立の是非によらず、沖縄の分離独立について考え、議論が盛り上がるのは、大変結構なことだと思う。
しかし記事を読んで違和感を禁じ得なかったのは、この二者の論争が琉球新報という地方新聞の論説を元にしていることである。
琉球新報が沖縄でどの程度の影響力を持っているのかがちょっとわからないのだが、目下の問題は沖縄の米軍基地問題であり、沖縄県民がこの問題の解決に絶望した時に沖縄独立運動が本格化する。逆に言えば、沖縄米軍基地を本土に移転させるなどの基地問題を改善する政策を日本政府が取れば、沖縄が独立することはまずない。だから琉球新報はともかく、日はまた昇る氏、Mukke氏、そして二者に注目した人々が先走り過ぎている感があり、それが私が感じる違和感になっている。
ただここはお二人に合わせて、沖縄が独立した場合どうなるかを考えてみよう。

沖縄が独立して琉球独立政府となった場合、日米安保が無効となり、沖縄米軍が全面撤退する、ということは、まず起こり得ない。
沖縄の歴史は、日本と中国との間でどちらに従属するかで揺れ動いてきた歴史である。小さな島国が、どの国に従属するのが得策かを考えるのは当然のことで、この点沖縄はスコットランドのような旺盛な独立精神を持たず、従属性が強い。それが明治まで別の国だった沖縄が、日本に帰属したのはその従属性にある。だから沖縄の独立も、根本的にはより有益な従属先に乗り換える話である。米軍を撤退させて、独力で中国と対峙する選択肢など、沖縄県民が選ぶはずがない。日米安保を元にして、沖縄の立場を良くする条約に変更するように、アメリカと交渉していくのが、独立した沖縄の採る選択肢となるだろう。
その場合、沖縄は経済的には日本で最下位のレベルだが、軍事的にはアメリカが対峙する中国に最も近く、また現状、日本の米軍基地の78%を占める沖縄は、独立すれば日本よりもはるかに重要な同盟国となる。というよりも、金銭面しかあてにできない日本の重要性は著しく低下する。そのためアメリカが中国と、アジアで覇権を争わない道に進まない限り、アメリカは日本の主張より、沖縄の主張を重視する可能性が高い。しかも今までは日本政府を通じて沖縄が要求していたが沖縄独立政府はアメリカと直接交渉すればいい。独立するとしないとでは、独立した方がはるかに要求が通り安い。

沖縄は独立すれば、当然地位協定の改善と、米軍基地の県外、いや国外移転を求めるようになる。
この二点は、今までよりも前進するだろう。その場合、在日米軍裁判権放棄密約の有無も争点になるだろう。(詳細は

在日米軍裁判権放棄密約事件 - Wikipedia

参照)
日本政府は、在日米軍裁判権放棄密約の存在を否定しているが、もしアメリカ政府が密約を認めることがあれば、日本は沖縄に独立されたうえで、不祥事も暴かれることになる。
さらに沖縄米軍基地が国外移転すれば、移転先候補はほとんどが日本本土である。沖縄は地位協定が改善して基地の国外移転が進み、日本本土は地位協定は据え置きで米軍基地が増える、という展開が一番考えられそうである。

日はまた昇る氏の『分離独立は流血を招く』というタイトルは、煽りのタイトルである。煽りであることを承知で、この点を論じていく。
まず、「流血を招く」主体が何かという点である。
日本政府が武力行使をしてでも沖縄の独立を許さないとも取れるし、日はまた昇る氏が武力行使をしてでも沖縄独立を阻止すべきだと思っているとも受け取れる。しかし今後、この論旨を日はまた昇る氏が展開する可能性は低いと思われるので、日はまた昇る氏が一番主張する可能性が高いと思われる論を考えてみよう。
それは、独立した沖縄が米軍を撤退させ、その後中国が南洋に侵略の手を伸ばしてくるというものだが、先に述べたように、独立した沖縄が米軍を完全撤退させる可能性は極めて低い。またアメリカが自分から沖縄米軍基地を撤退させることがあったとしても、それは沖縄独立が要因ではなく、アメリカがアジアでの覇権を放棄した時である。
なお、日本政府が、武力行使で沖縄独立を阻止する可能性についてだが、日本政府が沖縄が独立に動いた場合、武力行使をする可能性は低いのではないか。その場合、沖縄が同胞でなく植民地だったと思うのは、沖縄県民よりむしろ、本土に住む我々だからである。

沖縄県知事選挙、開票前に - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

で述べたように、かつての日米安保破棄論には、沖縄を米軍から解放する含みを持たせながら、日本が日本安保を破棄しないことを見越したものだった。
私は、Mukke氏の沖縄米軍基地の本土移転に触れない沖縄独立支持が、かつての日米安保破棄論と同様に、臭いものに蓋をするための主張に発展することを恐れる。
沖縄が独立しても、かつての同胞から沖縄に負担を押し付けていた事実は暴かれる。
だから沖縄米軍基地を本土に移転させよう、とは言わない。それは沖縄を、はなから同胞だと思っていないからである。
沖縄の戦略的重要性の高さから、沖縄の負担が一番大きくなるのは、今後も変わらない。しかしそれが現状の日本の米軍基地の78%でなければならない理由にはならない。
沖縄米軍基地の本土移転は、沖縄が同胞であることの再確認であると述べて、今後の議論の展開を見守ることにしよう。

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