今年の半ば頃に、橋下徹氏が教育の無償化には憲法25条の改正が必要だと述べた。
小泉進次郎氏との議論の中で出たことで、教育無償化論を言い出したのは小泉氏が最初かと思われる。
なぜ25条の改正が必要なのかについて、橋下氏は明確に論証しなかったようである。「憲法26条じゃないか」 という意見にも、「勉強不足」というような発言に終始していたようである。
法律家である橋下氏に逆らうようだが、素人目に見て、25条を改正する必要はなさそうである。もちろん26条もである。
これには意味がある。
安倍政権は年金の支給額を減額したが、年金額を戻さずに教育の無償化をするなら、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とする憲法25条を削除しろという意味である。
「アジアの人々に申し訳ない」
と戦後の日本人が口々に言ったのは、「自分は良い人だ」と言うアピールである。このような人はよく見かけるが、「良い人」と「良い人アピール」をする人の違いは、そのアピールが、自分が本当に危害を加えた人に向かないことである。
と、
日本が憲法を改正しない本当の理由 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」
で述べたがまさにその通りで、この手の良い人アピールは本当の被害者である非正規労働者に向かない。
今回、一週遅れの議論をしよう。まずはこれ。
2015年9月に労働者派遣法が改正され、派遣社員が同一の組織単位で3年以上働くことはできなくなった。
とさらっと述べているが、正しくは「派遣社員の過半数を占める労働組合がない派遣会社は同一の組織単位で3年以上働くことができない」である。
派遣社員の過半数を占める労働組合のある会社では、派遣先が通達すれば派遣期間を延長できる。
これは派遣社員の組合組織化を促進する法律である。
もっとも、このような法律ができても派遣の組合はほとんどできていない。
ニャートがこのように言うのも、自己救済をしない派遣社員と一緒に野垂れ死にはできないというのならわかるが、だからといって派遣社員に自己救済の手段がないように喧伝するのはいかがなものかと思う。
次はこれ。
参考になる部分もあるのだが、こういう話は小数でやった方がいい。
なぜなら当時の民進党も、「安倍政権はいかん」という点で、ほぼ同じ論調であり、それは宿題を貯めることになるからだ。
特定秘密保護法、安保法制など、野党は問題としながら解決できず、宿題が貯まっていく。
国民は過去に通った法案を問題とせず、野党への信頼を失っていく。
宿題が貯まるのは、自分達の正しさの根拠を相手の間違いに求め、自分を正そうとしないからだ。
www.from-estonia-with-love.net
では社会民主主義の重要性が述べられているが、日本で社会民主主義が育つには、非正規が労働組合によって組織化される必要がある。
現状では正社員で組織された労組が会社と協調して非正規の権利を阻害しているが、非正規が充分に組織化され、労組が非正規と対立するより協調した方がいいと思わせ、正社員と非正規が協調して企業、ひいては経団連と対立するようにならなければ、社会民主主義は定着しない。
だから「非正規が権利を獲得するのは簡単だ」くらい、リベラルな政治家は言えばいいのである。何しろ派遣の組合は法律で促進されているのだから。
は読む国会への反論だが、ビジョンを人間の理想像とし、人間の理想像がない=ビジョンがないとするのはいかがなものか?
「不倫をしないことだけ」が理想像というが、昔の男の理想像は一夫多妻だよ。80年代の本宮ひろ志のマンガの主人公のような、すぐ女をレイプするようなね。
少なくともひとつの理想像で、貞節と対立して存在していた。
だから不倫はダメというのは現代の風潮で一夫多妻の理想像が消えてできたのであって、多様化の時代でも理想像は育っている。
社会民主主義の形成の意見も、別に人間の理想像を提示してないけど、ビジョンになってると思うんだけど?
選挙についてだが、野党が増税延期を唱える以上、私は自民に投票しようと思う。
今回の増税は、年金額の増額には当てられない。 しかし増税すれば、他の社会保障に増税分が当てられる。ならば年金だけこのまま据え置きにする理由は無くなるからだ。
今日はここまで。 じゃあね、ニャート。
これから何するのか知らないし、成功して欲しいとも思わないけど頑張ってね。
古代史、神話中心のブログ「人の言うことを聞くべからず」+もよろしくお願いします。