坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。新ブログ「人の言うことを聞くべからず」+を開設しました。古代史、神話中心のブログです。

日本型ファンタジーの誕生⑬~『東京喰種』:1金木研は神代利世とセックスする

いやーやっと『東京喰種』を書ける。連載の方はもう終わろうとしてるけどwww
『東京喰種』は、日本型ファンタジーの作品群の中で、私の一番お気にの作品である。日本型ファンタジーの中で最も奥が深い。
実写映画で霧島董香役だった清水富美加は、宗教の道に入って女優を引退した。その際「人肉を食べるような役柄」に良心や思想信条との葛藤を覚えたという意味のことを言ったといい、その役柄が『東京喰種』のことだという。
しかし宗教家となった清水がどう思おうと、『東京喰種』はヒューマンな作品である。

進撃の巨人』や『亜人』の女性キャラが物足りないのに比べ『東京喰種』は女性キャラの心理が良く描けている。
『東京喰種』には多くの暗示があるが、その多くは多義的である。
金木研(以下カネキ)が半喰種になるきっかけとなる「大喰い」神代利世(以下リゼ)の存在も多義的だが、第一にはリゼは淫乱の象徴である。
一見清楚な女性に見えながら、若く線の細い人間の男を狙って補食するリゼは、補食を含めて男との関わりは全てセックスの暗示である。
月山習はリゼと美食について語り合うが、リゼと考えが合わない。「おいしいに越したことはないけど、お皿に盛れる量じゃ足りないもの」と言われてしまう。
月山の美食は、リゼとの関係においては二人で高め合うセックスを意味するが、「お皿に盛れる量じゃ足りない」とは、相手が一人じゃ足りないということである。
「あなたも退屈。ああ、でも、そんなにキライじゃなかったわ」
と去り際にリゼに言われる万丈数壱など、正に遊ばれた男が言われるセリフである。

上記の件で、月山を怒らせたセリフ。

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喰種は人間に憧れ、人間を羨み、人間になることを目指す。
カネキの半喰種化や、クインケ、クインクス、オッガイなどばかりではなく、喰種が人間を目指すことで、人間=怪物という、日本型ファンタジーの条件が成立している。そしてリゼは、人間を目指さずに喰種として快楽を追求するキャラである。

初期のカネキは、赫子を使うと女言葉を使い、貪欲に人間を食おうとする。それはカネキの中のリゼが語っているようである。
カネキは赫子を使いたくないという。自分に制御できない力を使ってはならないと。それは清楚な女性と思ってリゼに近づいたカネキが、淫乱女だと知ってリゼから逃げていることを意味している。
しかし暗示の多義性により、上記とは矛盾しないが、女言葉で人間を食おうとするのは、実はカネキ自身である。
後にリゼと再会したカネキが、極度の飢餓状態により、正気を失っているのを見て、「あなたがいないと僕は空っぽだ」と失望するが、それに対して「お前は自分の力で戦ってきた」と四方がいうのは、そうゆう意味である。カネキは自分の中の他人から奪いたいほどの貪欲さや凶暴性に無自覚、または無自覚であろうとし続ける。この状況は『東京喰種:re』で、カネキが有馬貴将と戦う時まで続く。

『東京喰種』7巻で、カネキは「アオギリの樹」に捕らわれ、「アオギリ」の幹部のヤモリに手足の指を切られ、再生してはまた切られるという拷問を受ける。カネキの髪は真っ白になり、爪は赤黒くなる。
精神的に追い詰められたカネキは、妄想の中でリゼと会話をする。
リゼは「ヤモリを許せるか」と尋ね、カネキは「許せない」と答える。
「でも赫子は使いたくないんでしょう?」とリゼが聞くと、「制御できればいい、僕があなたを超えればいい」と答え、妄想の中でリゼを喰う。
それまでカネキは赫子を「僕の中の喰種」と言っていたが、それを否定し、「僕は喰種だ」という。そしてヤモリを倒す。

その後カネキは「反アオギリの樹」を結成し、20区から6区に移動する。目的はリゼの正体を探るためである。
「神代理世という喰種は存在しない」とイトリに教えられ、「アオギリ」に拐われたのも、カネキがリゼの赫子を持っていたからである。
しかしリゼの過去を探るこの絵

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これってリゼの男関係を気にするカネキの姿にしか見えないんだけどww。「神代叉栄!?昔の男か!?」って声が聞こえてきそうwww。お義父さんですよお義父さんwwww。

半年ほど喰種のみを喰う、いわゆる共食いをして、カネキは強くなる。赫子が増大し、顔の半分が赫子で隠れる「半赫者」にまでなる。
要するにパワーアップだが、
共食いは喰種を狂わせる。
CCGの篠原特等と戦った時のカネキ。

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何喋ってんのかわかんねえwwww
「これまで会った喰種の中で、一番イカれてやがるね君…!!」
と篠原に呆れられる始末。
この後亜門鋼太郎と戦ってやや正気に戻る。「ただの喰種でいいんだな!!」という亜門に、「もう食べたくない」とカネキが答えるのが印象的。そしてカネキは逃走するが、完全に正気には返らない。カネキは合流した万丈を傷つけてしまう。

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「助けにきたよ」と言いながら、万丈の腹を貫く。
戦闘能力の低い万丈を稽古する時、カネキは万丈を徹底的に言葉責めにする。

何が“盾”だ。その程度の力で一体何が守れる?大事な人、愛する者、守りたい存在、弱ければこぼれ落ちる

 

「この世の全ての不利益は当人の能力不足」というヤモリの言葉に感化され、カネキはトレーニングに励み、共食いをして強くなった。
より強い敵が現れればもっと強くなり、敵の勢力が大きければ自分も勢力を増やす。あるいは部下を強くする。
そうして自分、部下に強さを求めていく。強さを求めるのに際限がない。
部下が弱ければ非難する。それが「助けにきたよ」と言いながら、万丈を貫いた意味であり、鯱(神代叉栄)が「それでは貫くか折れるしか道は無し」と言う理由である。

カネキは自分の道が正しいのかわからなくなり、リゼに会いにいくが、上記の理由で愕然とする。

僕が見たリゼさんは…僕が聞いたリゼさんは…余裕があって…奔放で…強くて…凶悪で…

 

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犯行現場写真ですwwww

その後カネキは芳村と話し、「君が捨てようとしているものは、君の半分を占めている部分なんだよ」と諭される。リゼは人間の要素のない喰種なのである。
芳村の説得により、カネキは「あんていく」に戻る決意をする。

霧島董香(以下トーカ)は、ツンデレのようでツンデレでないキャラである。
ツンしかない時期は、デレが全くない。
そのトーカがカネキを恋愛対象として意識するのは、「アオギリ」と戦った時である。
弟のアヤトが「アオギリ」の幹部で、アヤトと戦い、傷つき、仲が良かった過去を想い、「一人にしないで…」と呟く。そこに「(一人に)しないよ」と言って、カネキが助けに入る。この時である。
カネキが「反アオギリ」を結成する時、トーカもついて行こうとするが、カネキは拒絶する。
後にトーカと再会した時に、「みんなを守るために戦っている」と言うが、「みんなはあんたのものじゃない」と、トーカに否定される。
「それでもいいよ。君が一人にならないために…」
とカネキは言うが、永近英良にカネキが嘘をつく時の癖を教えられていたトーカは騙されず、カネキをボコにする。本当はカネキはリゼを追っているのである。

そのトーカが『東京喰種:re』で、

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と尋ねる。

童貞ですよ、カネキくんはwww

セックスしたと言っても妄想の中だし。

人間は無制限に、自分にも他人にも強さを求める時はあるし、男は淫乱女のフェロモンにやられる時期があるしwww

トーカがこんなことを聞くのは、リゼとのことが気になるからである。

まー「君を一人にしないために」なんて嘘つくってことは、二股かけようとした自覚はあるんじゃないの?

こうして、カネキは真の伴侶と結ばれる。(こーゆーオチかよ!!)

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