坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。新ブログ「人の言うことを聞くべからず」+を開設しました。古代史、神話中心のブログです。

『GODZILLA 怪獣惑星』

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GODZILLA 怪獣惑星』を見たのは、去年の『シン・ゴジラ』のヒットと、今回のゴジラの脚本が、『まどか☆マギカ』の実質的な作者だったからである。
もっとも直前で来年5月に次作があると知り、三部作という噂もあるが確認できていない。続きがあるため、今ここで書けることは少ない。また『シン・ゴジラ』と違い、現状ヒットしていない。
それでも今回書くのは、はてなでこの作品を紹介した記事が、この作品について何も感じ取っていなかったようだったからである。その記事はランキング入りしたが、ブクマなどをつけていないので、誰の記事かわからない。
GODZILLA 怪獣惑星』はあらゆる点で現代の作品を踏襲している。
まずは「忘却」がキーワードとなっていることである。地球人がゴジラに勝てずに宇宙に逃亡したのを、サカキ・ハルオは「忘却」と言う。ハルオはゴジラを倒す方法を見つけるが、それを実践しなかったことを「忘却」と言うのである。
「あの状況では無理だった」という意見もあり、こちらの方が真実だろう。しかしハルオは「忘却」と思い、苔の化石を見て、「俺達は忘却したのに、地球は俺達を忘れていなかった」と言う。
また、地球に次々と怪獣が出現する中で、二つの宇宙人のグループが地球人に協力するという設定に設定が重なる構成も、『君の名は』以降よく見られるものである。
二つの宇宙人グループの一方が頑健な肉体と合理主義、一方が「献身」を教義とする宗教なのは興味深い。特に宗教は、今までの日本の作品では、ごく一部でしか取り上げてこなかったものである。
物資と兵力が乏しい中で、消耗戦を繰り広げるのも、「進撃の巨人」を踏襲している。
部隊が地球に上陸した時に、ゴジラの亜種に襲撃され、隊長は撤退を決意する。しかしそのための行動は、別の地点に上陸した部隊と合流するという規程の路線だった。追い詰められた者には選択肢さえない。
移動中「このまま撤退したら俺はゴジラに会わずに帰ることになる」とハルオが言うが、メトフィエスは「ゴジラがこちらを見つける」と言う。このゴジラは逃げ切ることができない。追い詰められた状況をとことん演出するのも最近の作風である。
ランキングした記事は、「対象となる風景がないのでゴジラの大きさがわからない」と言っていたが、製作者はそれが分かっているから、森が盛り上がってゴジラが姿を表すという演出をしている。
このゴジラは、2万年の間成長を続けていた。
ここに、個体が進化する怪物からの脱却の可能性を、私は感じている。
人類は宇宙を放浪し、何十年も苦しんだが、その苦しみは、問題を解決するための苦しみではなかった。人類が苦しんでいる間、その問題は幾何級数的に膨張していたことを暗示しているようである。


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