坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

日本人は中国に従属する日を心待ちにしている。

橋下氏のツイートから。

 

実はこの少し前から、日本人の領土問題に関する意識が変化してきている。
それはこの記事から始まった。

www.yutorism.jp

私はその記事に

「戦争と平和を考えるマンガ」 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

のリンクを貼ってやった。その記事こそが、かつて「東洋の小さな島国」と自国を呼んで自己を矮小化することで、世界との比較から逃避していた日本人への逆戻りを示すものだったからである。
そしてそれはアメリカを敵としてかつての戦争を継続しながらアジアを相手に争い、結果アメリカに負け続けるという「永続敗戦構造」から、「アメリカを敵とする」という意味では脱却したということである。
もっとも、「アメリカを敵としない」動きは、白井聡が「天皇の位置にアメリカがついた」と指摘したように、去年からあった流れである。
去年からさらに変化した流れとは、もはや「アメリカを敵とする」ことで自己の正当化、肥大精神を維持することができず、精神が肥大から矮小に転じたことである。
この矮小化の流れは、実行支配している尖閣諸島を除けば、領土問題から手を引き、相手国に譲歩してしまおうという風潮を生み出している。

reki.hatenablog.com

もまた、自己の矮小化によってランキング入りした記事だと私は思っている。
この精神が肥大から矮小に転じた現象をどう捉えるべきかについて、最終的な結論は私の中で出ていない。
これは、「絶対に戦争をしないことを前提にした領土交渉の難しさ」が問題を複雑にしている。「絶対に戦争をしないことを前提にした領土交渉」で、相手国が領土を返還する可能性はほとんど0だからである。
「ならば領土問題から手を引いた方がいいじゃないか」という者が現れるのは、「永続敗戦構造」が破綻した以上自然の流れとも言える。正直に吐露すれば、私も昔はこういう心境を持っていた。
しかしほとんど返還される見込みのない領土交渉をするのは、強靭な精神力によって領土の返還を未来に繋ぐことであり、それが寸土であっても、領土交渉を続けるのはその国の精神的活力を示すものである。
国内世論で「返せ」と盛り上がって、明日にも領土が返ってくるような気分に浸って現実を否認する「永続敗戦構造」は不健全だが、返ってこない領土問題からただ手を引いてしまうのが健全だとは言えない。
真に重要なのは肥大でも矮小でもなく等身大に自国を見ることだが、そのために必要なのが国家戦略である。
個々の領土問題に国家戦略があるかどうかではなく、国の根幹に国家戦略があるかどうかが重要である。
それがあれば、返ってくること可能性のほとんどない領土問題に固執してもよく、むしろ固執した方がいい。因みに

平和憲法のために竹島を失った!?「戦後」の終わり - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

で述べたように、竹島は日本が韓国にリボンをつけてプレゼントしたようなものなので、むしろ竹島を韓国領だと認めて方がいいとさえ思っている。
肥大から矮小への流れは、おそらく「永続敗戦構造」の破綻の必然の結果だが、この流れが国家戦略を産み出さなければ意味がない。
そして現状を見れば、肥大から矮小への流れは国家戦略を生み出していない。

橋下氏は、上記のツイートの他にも領土問題について言及したツイートがあったが、それは今は削除されているようである。内容は玉木雄一郎氏が竹島問題で韓国を非難した時に、「返ってこない領土問題で騒ぐのはもううんざりだ」という趣旨のものだった。
おそらく去年の夏くらいの頃だったろうか。当時私は、橋下氏が「永続敗戦構造」を攻撃するのが狙いだと見ていた。
そして上記のツイートを見て、つくづく橋下を偉大な人物だと思うしかなかった。
橋下氏は、「日本はシーレーンを中国に奪われるしかないんだ」と言っているのである。
今の日本人の顔は、中国に従属する日がくるのを心から待ち望んでいる者のそれである。
中国のシーレーン奪取の警戒を呼び掛ける時期など、とっくに過ぎ去っている。
私は中国のシーレーン狙いを警戒するように呼び掛けていたが、実に甘かった。
今の日本はシーレーンについて完全に投げている。
右翼は尖閣で問題が起こった時に騒ぎ、一帯一路を警戒すれば事足りるとしている。一帯一路など、中国における対日本のメイン戦略であるはずがない。
中国のシーレーン戦略を封じ込めるには東南アジア諸国との連携が必要だが、韓国とも仲良くできない日本が東南アジア諸国と軍事的に連携できるはずがない。
それなのに左派は日本人の韓国嫌いを非難すれば事足りるとし、中には「中国は絶対に日本に攻めてこない」と言って、露骨にシーレーンから目を背けようとするブロガーも現れる始末。中国が攻めてこないなど当たり前である。
そんな記事をランキング入りさせたのも、そのブロガーよりも「これはちょっとな」というふりをしながら、シーレーンから目を背けられることを喜んだ者逹の問題である。
韓国にしても、仲良くしようとしてもケンカしても関係が変わらないことは今までで証明済みである。問題は韓国に何があるのかを見極めることであり、それが韓国が統一国家でないことのコンプレックスだと知ることである。
それはこのブログで何度も述べたが、日本人はこの真実を否認する。理由は韓国と手を結びたくなく、シーレーンを中国に奪われたくは中国に従属したいからである。
韓国や中国についての記事でも未だにブクマのひとつももらってないがひとつやふたつの拡散があったところで何の意味もない。
私より、橋下氏の方がはるかに賢明だった。今の日本人には、中国に従属したい姿をそのまま見つめさせるのがもっとも効果的なのである。

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