ファンタジー
『亜人』は永井圭の物語である。 永井は主人公だから当然だが、ここでそのことを強調するのは特別な意味がある。亜人の存在意義は、「ラザロの復活」と同じである。 人間は不死になれる。問題はそれが「肉体」か「魂」かである。「肉体」の不死を求めたのが…
私は今まで、ロボットが感情を持つという話に感動したことがなかった。 私のような人間は少数派なのだろう。浦沢直樹の『プルートゥ』など、ロボットが感情を持つ物語がそれなりにヒットはするのだから。 私は『プルートゥ』を観ても感動しなかった。だから…
『東京喰種』は個性的なキャラが数多く登場する。その一方でキャラの多くが「空っぽ」だと言われる。個性的なキャラが「空っぽ」なのである。 あ、間違えてモーガン貼っちゃったwww。 この違和感が今回のテーマだが、今になって『東京喰種』の功績を感じるの…
かつて、自己犠牲の物語は日本にたくさんあったと思う。 「思う」というのは、『ドラゴンボール』のピッコロが俉飯を庇う場面の他一作品でしか、自己犠牲の話を思い出せないからである。自己犠牲の話は大抵感動の物語として語られるが、私は長い間、自己犠牲…
セカイ系は男女が世界によって引き裂かれていく物語で、その引き裂かれる様をそのまま受け止めるのが本来の姿である。 その引き裂かれた男女が再び結ばれた場合、その世界が崩壊するのはストーリー構成上の必然といっていい。『最終兵器彼女』は2000年代初期…
亜門鋼太朗のクインケ「ドウジマ」は、死んだ亜門の同僚張間のクインケだった。 張間は女性で、亜門は張間に対し特別な想いがあったようで、そのことを示す描写もある。酔っ払った真戸アキラに抱きつかれて張間のことを思い出したのだが、しかし詳細には描か…
『僕だけがいない街』の三部けいの次回作『夢で見たあの子のために』の主人公、中條千里の初登場シーン、決めすぎwww。 いやカッコつけてるんじゃなくて、理由があってのポーズなんだけど、この初登場シーンの印象が悪いせいか、『僕街』と違って、最初はこ…
犬屋敷壱郞は(以下犬屋敷)58歳。58歳でも老人のように見える。小柄でなぜかいつもプルプル震えている。おじいちゃんかわいーwww。 この歳で始めて家を建てたが、その家が人気マンガ家の豪邸の裏で、家は豪邸のために完全に陽が射さない。 子供二人には嫌わ…
下村泉は、本名を田井中陽子という。田井中は母の再婚相手の姓である。義父はろくに働きもせず、母親がスナックで働いて生計を立てていた。 高校時代にバイトで100万貯めて家を出て彼氏と暮らすつもりだったが、目標到達を目前にして義父にその金を使い込ま…
瓜江久生とドナート・ポルポラが戦った時、ネットではドナートの圧倒的な強さに湧いていた。 「フレームアウトして暴走した瓜江の強さはドナートの指一本分」という論調で書いている者が多かったが、私は違和感を持っていた。 最近のマンガは、指一本で敵を…
何で今さら『君の名は。』なの!? って思うだろうけどwww。だって『天気の子』のいくつかの批評を見たけど、去年までの「ナンダカワカラーン!」ってな批評と打って変わって、『天気の子』は意外と核心を突いた批評が多くて、ネタバレも含めて見ると「こり…
かつて小池田マヤ「不思議くんjam」の感想を書いてみた - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」で書いたことの、これは書き直しである。 前の記事ではラブコメだと書いて、それは間違いではないのだが、この作品もまた日本型ファンタジーの初期的作品だとわか…
今回紹介するのは『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』(以下『ビルダーズ』。 簡単に説明すると『マインクラフト』という建物を作ったり物作りをしたりするアメリカのゲームをドラクエの世界観で再現したもので、『ドラクエシリーズ』の…
男性諸君、痛そうにしないwww。『東京喰種』には、「父殺し」の話が溢れている。 「オークション戦」に「睾丸潰し」のナッツクラッカーが登場するのは、「睾丸を潰した者」と戦うことに発破をかけるためである。そしてこの場合は、鈴屋什造に発破をかけてい…
日本型ファンタジーは、ほとんど同一の型でストーリーが構成されている。日本型ファンタジーには「殻」がある。 『進撃の巨人』の「壁」が最も分りやすいが、次に分りやすいのは『東京喰種』だろう。 『東京喰種』の「殻」が「東京」なのは一目瞭然で、東京…
『DB超』のマンガ版の「未来トランクス編」も、アニメと同じで、トランクスに「未来を救えなかった」という屈託は感じられない。マイといちゃついてるトランクスを見て、「やーめた」と言う。 と子供マイが言うのに対して子供トランクスが、と繰り返して言う…
意識が戻った後、藤沼悟は記憶を失っていた。 記憶を失ったのは、悟が冬の沼に飛び込まされた恐怖と、挫折感を表している。 悟は、母親が悟の記憶が甦らなくていいと思っているのを察して、「無理に思い出すことはないんじゃないか」と思う。しかし大人にな…
前回のに「フリーザが『口が臭いって言われて殺された奴がいる』じゃなくて『口が臭い部下が殺された』だ」ってコメントがあって、も一回映画観てきたらその通りだった。「口が臭いって殺された奴がいる」だったから、話の分脈から誤解が生じても不思議じゃ…
鳥山明は基本的に根性論が嫌いである。 そのことは、鳥山の不健全さと健全さを表している。根性論が嫌いなのは、「努力すれば何でもできる」という信仰が、受験競争やスポ根などの個人の適正を欠いた努力に向かわせるからである。 だから鳥山は、本人の適正…
今回『東京喰種』をやる予定だったが、急遽予定を変えて『進撃の巨人』(以下『進撃』)を書くことにする。 『進撃』は今後も段階的に書いていくつもりで、今回の記事は段を抜かしたものになる。それでなお『進撃』を書くのは、27巻の衝撃からである。 27巻…
前回、日本型ファンタジーになった『GODZILLA 決戦機動増殖都市』(ネタバレあり) - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」でギドラとモスラの名前を出したが、書いた後、少し後悔していた。 『決戦機動増殖都市』でメカゴジラが登場すると触れながら、結局…
『僕だけがいない街』(以下『僕街』)で、藤沼悟は殺された母親を発見し、既に死体となった母親を介抱しようとするが母親が生き返ることはなく、悟が再上映(リバイバル)と呼ぶ時間の巻き戻しが起こる。 再上映の後、悟は犯人を追うことで犯人の罠に嵌まり…
『orange』はウイキペディアで内容を読んで気になって映画を観たが腑に落ちず、マンガを読んだ。ウイキペディアは説明は充分かもしれないが頭の中に入ってこない。 映画について言えば、ヒロイン役の土屋太鳳は演技力はあるのかもしれないが「かける!」と呼…
『アイアムアヒーロー』では「クルス」と呼ばれる人々が登場する。 「クルス」は元々固有名詞だったが、「クルス」と同種のキャラが多数登場することで、特定の人々を指す言葉になった。 「クルス」は大抵ブリーフ一枚の姿で、超人的な身体能力を持つ。 「ク…
『復活のF 未来トランクス編』は、「昔、フリーザという者がいた」という、トランクスのナレーションで始まっていた。 ここで気づくべきである。 未来トランクスは復活したフリーザのことは知らないはずである。未来トランクスの時代は、現代に行って悟空達…
『僕だけがいない街』の主人公藤沼悟が幼児の時、よく小学1、2年生の女の子と遊んでいた。 その女の子アッコねえちゃんはある時、「悟ちゃんは二番目に好きなの。ツトムくんっていう、ケッコンするって決めた男の子がいるの」と悟に言う。 「ツトムがいなく…
blog.monogatarukame.net を読んだ時には、、やっぱり自分で観なきゃわからないと思っていた。 『GODZILLA 怪獣惑星』 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 を書いた時に言及した元記事(もう誰の記事かわからないが)に、実は映画を貶める意図を僅かに…
えーっ、フリーザ生き返った~!!!Σ( ̄□ ̄;) って3ヶ月前のことで俺はwww。 予測をたてると、鳥山はは必ず予測を裏切ってくる。もう『DB超』について断定的な予測はしない。( ̄ヘ ̄メ) 「未来トランクス編」で悟空はは第10宇宙に行き、ザマスと戦う。 実…
『ひぐらしのなく頃に』で、古手梨花は殺される運命を回避するために時間を何度も巻き戻す。しかし巻き戻された時間では、それぞれ異なる展開をしても、最終的に古手梨花が殺される結末は変わらない。最後の最後で、奇跡的に古手梨花が殺される宿命を回避す…
予告を見た時から予想していたが、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』で、アニメゴジラ三部作は日本型ファンタジーになった。 「我々人型種族こそが、ゴジラと呼ばれるに至らなくてはならん」と言っている時点で予想がついて、今回はその確認のために映画を観て…