2月5日の記事。
立憲民主党の枝野幸男代表は5日のラジオ日本の番組で、合流協議が事実上破談になった国民民主党との関係について「別々の政党で、連立政権を目指す」と語った。両党間のしこりが次期衆院選での共闘に影響しかねず、枝野氏は新たな目標を示して連携を維持したい考え。
とこのように。これに対し国民民主党の玉木雄一郎代表は、
国民民主党の玉木雄一郎代表は5日の記者会見で、れいわ新選組(山本太郎代表)が活動方針で、次期衆院選での野党共闘の条件として消費税率5%への減税を掲げたことに関し、「私は消費減税は排除せずに議論すべきだと言ってきた。山本氏と腹を割って話してみたい」と述べ、連携に意欲を示した。
とこのように、合流協議はご破算になりそうな気配である。
相手がケンカに強いかどうかを見極める方法は、私にとってはひとつである。
難しいことではない。『孫子』に書いてある。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」。これである。よく「敵に敬意を持て」とも言われるが全くその通りである。
私にとって、相手がケンカに強いかどうかを見極める方法がこれだけなのもまさに「百戦危うからず」だからである。
しかし私にとって特殊な事情もある。私は日本人とだけ争って外国人と争ったことはないのだが、日本人はとにかく「敵も己も知らない」のである。
争いが始まった時、私は敵が最初の攻撃をしてくるまでは絶対に相手への敬意を保ち続けている。しかし相手の最初の攻撃を見て、大抵は相手を軽蔑してしまう。その後は何回やり合っても同じだとわかってしまう。それだけやり合った相手は「敵と己」の認識がおかしいのである。
話が脱線した。まずこちらの記事。
国民民主党の榛葉賀津也参院幹事長は4日の記者会見で、2019年度補正予算の採決で国民民主の一部が造反して賛成に回り、共同会派を組む立憲民主党の枝野幸男代表が「けじめ」を求めたことについて「他党からどうこう言われる問題ではないのが筋論だ。発言は慎重にした方がいい」と不快感を示した。
これはいい。まだ合流していないのだから、国民の内情への干渉は突っぱねてもいい。しかし枝野氏は「けじめをつけないと共に戦うのは難しい」と既に言っているのである。その答えが「別々の政党で連立政権を目指す」である。合流協議を望むなら、国民は造反した議員の処分と合流協議は別だと示さねばならない。
それが玉木氏のように、れいわと協議するとなったら決裂の意思表示と受け取られても仕方がない。原口一博国対委員長が「合流協議阻害要因はわが党にあった」と述べた意味もなくなってしまうのである。
国民民主党は、最近「提案型の野党」を目指している。国民の姿勢は少しずつ認知されてきているがまだまだ不十分で、れいわや維新のようにトップダウン型でなく、マイルドさが売りの国民では地道に「提案」を続けていくしかない。
今衆院選があれば、国民は議席を減らす結果に終わるだろう。まさに枝野氏は「敵を知っている」のである。
それでは枝野氏は「己」を知っているのだろうか?
枝野氏が「連立政権」に言及している点に着目しよう。
世間では、立憲は「万年与党」に戻ったというのが大方の認識である。
去年の参院選までは、野党は安倍政権の強力さに圧されて、維新以外は政権交代を唱える党さえなかった。
その維新でさえ順調に議席を伸ばすことさえできないでいたのである。「連立政権」と言われても一笑に付されるのがオチである。
何より立憲の議員に覇気が感じられない。「桜」を追及している時点で政権交代など眼中にないのが丸わかりである。現状に不満がある振りをしながら、現状に満足している腹が見え透いているのである。
野党は政権交代に向けた予備選挙さえ行っていない。また無所属新人の野党統一候補を当てにするのか?れいわの「百人候補」に対抗できるのか?
できるのである。ケンカ師の行動には必ずどこかに「実」がある。
れいわの「百人候補」を考える場合、選挙制度を考慮する必要がある。
小選挙区制度は各選挙区から一人しか議員が選出されないため、低所得者層しか支持層にできないれいわにはかなり不利である。どの選挙区でも、低所得者層の票はは一定の割合しかないはずでだからである。
つまりれいわは、小選挙区では議席をほとんど取れない。しかし衆院選は小選挙区比例代表並立制のため、重複立候補した者が惜敗率の高い順から当選していくことになる。れいわの狙いはこの復活当選にある。
しかし「百人候補」は、4月26日までに充分な人選を行うのは不可能である。それでも「百人候補」のインパクトでれいわには比例ではかなりの票が入るが、無理の多い「百人候補」には選挙スキャンダルが起こりやすい。
衆院選が4月26日なら、れいわが「百人候補」でこける、または自滅する可能性が高い。
しかしれいわの自滅を待つだけでは消極的過ぎるし、「百人候補」は他党の議員を萎縮させてしまう。だから枝野氏は「連立政権」で政権交代の含みを持たせ、党員の士気を高めた。衆院選が4月26日なら無所属新人の野党統一候補戦術もまだ効果を発揮するし、立憲の集票力を考えれば、政権交代をスローガンが議席を増やすことも可能である。
枝野氏がこれだけ強気に出た以上、合流協議再開のために自分から折れることはない。国民は合流協議のために、元の低姿勢に戻るべきである。
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