坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

山本太郎は貧困層を救えない

れいわ新選組山本太郎代表は23日のラジオ番組で、7月の東京都知事選への立候補を見送る可能性を示唆した。番組キャスターが出馬の可能性を尋ねたのに対し「万が一、私が都知事になったとしたら東京が住みやすくなって、より人が集まってしまう。これ問題ですよね」と答えた。

 

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だったら出ろや。
立花孝志氏が「当選を目指してはいない。当選するとも思っていない」と言った時の捨て身の覚悟と比べて、もう5月になろうというのに何眠たいことを言ってるんだろうねこいつは。

今回も個人的事情により、サブブログは来月初めに更新します。
新型コロナウイルス禍は、とにかくアメリカの被害がひどい。
これをコロナ後の国際環境の思考材料とした場合、アメリカの極東からの後退姿勢がさらに強まる可能性が高くなると思われる。
もっとも逆の判断材料もあって、新型コロナは高齢者の死亡率が高いので、労働人口が相対的に増加してアメリカの景気が良くなるという可能性もあり得るが、そういうことでもない限り、アメリカが極東から後退する可能性の方が高くなる。
何しろ新型コロナでの中国の死亡率が低い。
コロナ後は、中国の覇権を求める動きがさらに強まると思う。そしてその時に、日本はアメリカを当てに出来ないかもしれない。

れいわ新選組MMTによる景気の維持を求めているが、はっきり言って甘い。
現在はコロナ禍のために紙幣を大量に発行するのが可能な状況になっているが、それが出来るのも今から最長で4年まで、それもれいわが政権を取らなければ出来ないのならほとんど可能性はゼロである。
それ以降はMMTは出来ない。その理由は

中国が南沙、西沙諸島を押さえ、日本のシーレーンが脅かされた時に、インフレ前提のケインズ政策を行えば、スダグフレーションになる可能性さえある。

 

日本の右翼を牛耳る外国人勢 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

で述べたのと同じ理由である。
経済論争は論者の経済思想に基づいてなされるが、実際の経済政策はその国の国力と国際環境によって決まる。
日本は単独で中国に対抗出来ないし、仮に韓国と同盟を結んでも中国を退けることはできない。何とか国として認められていない台湾と軍事関係を結び、東南アジアのどこか一国でも同盟を結んで、アメリカには出てもらわなくても後ろに控えてもらって、やっと中国の野望を押さえることができる。そのくらい中国と日本では国力に開きが出ている。
それでも駄目なら、北方領土を全部放棄してでもロシアと平和条約を結んで資源を調達しなければならない。もうその段階にきていると思う。
最長で4年と言ったが、中国が日本の景気回復を待ってくれる保証がある訳ではない。日本の景気が回復する前に中国がシーレーンを脅かしにくれば、日本が失業者で溢れかえろうと景気刺激策はできなくなる。

れいわの公約に最低賃金1500円というのがあるが、MMTができる可能性自体が以上のようなので不可能である。
ケインズ主義者はすぐリストラをするとデフレになると言うが、財政緊縮派がなぜデフレになってもそれを言うのか理解していない。
日本はアメリカに軍事面で支えられなければ成立しない国なので、アメリカにとって「都合のいい国」でなければならない。
さらに日本の労働生産性の低さは付加価値の高い産業を産み出せないことにあり、国際競争力を高めることで国を豊かにすることが出来ない。だからせめて合理化によって国際競争力の弱さを補うしかないのである。

先に最低賃金1500円はできないと言ったが、最低賃金を上げる方法がない訳ではない。
私は派遣だが、時給は1000円ちょっともらっている。これは最低辺の給料ではない。
私がこれだけの給料をもらっているのは製造業で働いているからである。派遣も業種は様々だが、業種によっては最低辺以上の給料はもらえる。それでも派遣だから、中間搾取されてこれだけの給料をもらえるのである。そしてここに問題がある。
明らかな貧困層というのは私のような層ではない。そして明らかな貧困層は同情を集めやすい。
しかし派遣の問題は、法で守られていないことである。法で守られていないから直接雇用もされないし、ベースアップもほとんどしない。
最低賃金を上げるというのは、私のような1000円ちょっとの時給をもらっている層ではなく、明らかな貧困層に直接に利益をもたらすことである。しかしそれは簡単にできない。なぜなら業種による収入の格差は業種の固有の問題だからである。製造業の方がサービス業より実入りがいいし、製造業でも金属加工の方が食品加工より高収入なのは製品単価の差によるものである。
こういう業種による差はすぐには埋まらない。しかし派遣で罷り通っている違法行為に手を入れていけば派遣のベースアップは可能になる。
それができれば、後は行政が介入して商品の単価を上げてでも、貧困層のベースアップが可能になる。逆に言えば、派遣の問題を解決しない限り貧困層を貧困から脱却させることはできないのである。

山本太郎氏が本当に派遣の問題に切り込める人物か今までみてきたが、最近はむしろ派遣の問題から逃げている人物ではないかと思うようになってきた。
MMTも、低所得者の権利意識に目覚めさせるためなら意味はある。しかし日本の貧困の問題の元凶が派遣にある以上、少しずつでも派遣の問題に切り込んでいかなければならない。ところが山本氏はまだ派遣の問題を語ろうとしない。
派遣社員も自分達の問題を語らないし、派遣でない貧困層も派遣の問題を語らない。
そういう中で貧困層に同情的な態度を取れば人気は自然に集まる。しかし山本氏は支持者に利益を還元できない「なんちゃっていい人」である。ならば5年後には、山本太郎など誰も思い出しもしなくなるだろう。
派遣の問題を誰もが語らないのは、派遣を無法地帯にしたことに日本人全てが罪の意識を抱いているからである。そしていい人ぶる人ほど、本当に派遣の問題に向き合えない。そういう人はとにかく語らずに逃げる。泥を被る経験がないから、逃げることしかできないのである。そして一生派遣に問題を語ることはない。つまり山本氏は「絶対に貧困問題を解決できない人物」となる。
れいわは低所得者から支持を集めるのは止めて、中間層以上を狙うべきだろう。もっともそこは政党が飽和状態にあるので、決して大きな政党になれないだろうが。
衆院選も100人も候補を立てるべきではない。大きな政党になることも、大したこともできないからである。

貧困層から巻き上げた献金も詐欺同然なので全額返金すべきである。
それも国政政党であるうちにである。れいわが国政政党でなくなったら、返金の手数料を借金をして払うことになる。

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