坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

私の擬装請負体験⑮

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com A社についた時には、既に日は沈み、わずかな残照により、人も車も影の形で見えるだけだった。 私は、A社の駐車場に車を止めた。 (ーーさて、俺はここに何しに来たんだっけ?) ってお…

私の擬装請負体験⑭

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com Mくんは次第に私のことを、 「話し方が論理的ですね」などと評価するようになっていた。 私が離間の策を施してから、少しずつクリスタルグループから心が離れていったらしい。ある時、…

お詫び

昨日過去記事に商品リンクを貼ろうとしたところ、誤って「下書きに戻す」を押してしまい、あわてて再度公開したため、購読者に更新メールが届いてしまったようです。 過去記事にはてなスターやコメントまで頂いて、嬉しいながらも大変恐縮しております。 お…

私の擬装請負体験⑬

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com Mくんとは、頻繁に会っていた。 「ーー所長もR社には営業に来ただろうけど、同じAグループだから紹介者がいたはずだ。そしてその人は、おそらくB社の課長以上の人だ」 私はMくんに言っ…

私の擬装請負体験⑫

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 私の部署に、女子Yが作業の予定表を置いて行く。 R社は古い工場らしく、いくつかの棟が集合して工場になっている。 女子Yは入口から入り、詰所に予定表を置く。入口付近は私の持ち場で…

私の擬装請負体験⑪

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 「もしもし?お前、クリスタルグループを来させないようにしてるんだってな?」 B社での派遣仲間のXさんから電話がきた。 「俺もR社に行こうとしてたんだけど、俺も行けねえのか?」 X…

私の擬装請負体験⑩

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com Eは、私の斜め向かいに座った。 (どう、切りだそうか) いざとなると、なかなか言葉が出ない。しかしそう思った次の瞬間、言葉が吹き出していた。 「ーーおい、偽リーダー、あんたが…

私の擬装請負体験⑨

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 〈給料日までヤバいんで、お金、貸してください。今携帯止められてますので、メールでお願いします〉 Mくんからメールがきた。 (携帯止まってもメールできるの?) 疑問がわいたが、…

私の擬装請負体験⑧

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 実は私は、Mくんに金を貸していた。貸したり返してもらったりで、金額は時々変動したが、当時は二万円くらいだったろうか。 それまでは催促したりしていたのを、催促しないようにした…

私の擬装請負体験⑦

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 派遣会社Q社からAグループR社に派遣された経緯は、単なる偶然である。 ハローワークで求人票を取った場合、求人票には派遣先の名前は入っていない。 求人票を持って紹介の手続きをとる…

私の擬装請負体験⑥

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com この頃N氏からはよく、 「部署Cに戻った方がいいのではないか」 と言われていた。 その度に私は反対していた。 「仕事は部署Cの方がずっと簡単です。しかし部署Cの問題は人間関係です…

私の擬装請負体験⑤

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 派遣は期間従業員だから、雇用契約の更新はしょっちゅうある。 クリスタルグループでは、三ヶ月ごとに契約が更新されていた。 F所長との間にも、二、三回契約の更新で、契約書が渡され…

私の擬装請負体験④

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com K課長と話をしてわかったのは、実は部署Cでできた製品は、全て設計図通りに出来上がっているということだった。 ならばなぜ「形通りに出来上がらない」と言われていたかというと、競争…

私の擬装請負体験③

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com (このままでは2000万円の改善提案はできなくなってしまう) そう思った私は、策を考えた。 部署Cは、I班に属する。 私はI班の副主任Jのところに行った。副主任Jとは気が合うところが…

私の擬装請負体験②

シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 「おはようございます!!」 「お疲れさまです!!」 翌日から、Eと朝晩会うたびに、聞こえるようにあいさつした。 Eから返事は返ってこない。 私は少しむきになった。 「おはようございま…

私の擬装請負体験①

現在、労働者派遣法改正案の審議が国会で行われている。 派遣可能期限を一部撤廃する方向での改正が決まった場合どうなるかを考えるにあたり、私が約十年前に巻き込まれた擬装請負について語ることも、ひとつの意味があると思う。私が巻き込まれた擬装請負が…

「橋下現象」の正体

大阪都構想が否決され、橋下徹大阪市長は政界引退を表明した。 私は 大阪市民も反橋下派も、既に橋下徹の罠に嵌まっている - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 で、「橋下氏は止めにくい」「確信はないが、都構想は可決されるのではないか」 と述べ、「…

ストーリー性の80年代、内面を見つめる90年代、明るい2000年代、そして…

80年代までの曲は、ストーリーがしっかりと盛り込まれた曲が多くある。例えばこんな曲。なるほど名曲である。名曲だと思うが、今聞くとパンチが弱い。なぜそう思うのか考えて見たが、ひとつには歌詞にメロディーが引きずられているからではないか?もう一曲…

大阪市民も反橋下派も、既に橋下徹の罠に嵌まっている

大阪都構想の是非を問う住民投票が、5月17日に迫っている。 今まで、橋下徹氏を扱ったことは、一回しかない。かくて自民の長期支配に至る~大阪市長選 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」その理由は、私は元来橋下支持者だったが、経済に疎いため、橋下…

日はまた昇る氏、Mukke氏の記事について~沖縄独立論、基地問題を問う

たまたま、日はまた昇る氏の分離独立運動は流血を招く(前) - 日はまた昇るを読む機会があり、この記事を書いた。本来なら後編の記事がアップされるのを待って書くべきだが、待ちきれないので、日はまた昇る氏の意見を先読みする形で記事を書くが、ご容赦を…

見えない世相①~核を攻めない人々

今年の世相が見えない。 今年に入ってから、ずっとそう思っていた。 まだ三月であり、今年が始まったばかりなのにそんなことを思うのは、去年の世相の印象が強すぎたからだろう。 2014年がネット右翼の年だったと私が言っても、異論を唱える人はいないと思う…

ゆとり教育の経緯と教育改革の方向

近年の若者の、最初に就職した会社に定年まで居たいなどのリスクを求めない消極性については色々言われているが、日本の経済力が低下したため安定を重視するようになったという意見が比較的多いようである。 その中で、少し毛色の違った記事を紹介しよう。は…

新ブログ開設のお知らせ

この度新ブログを開設致しました。「人の言うことを聞くべからず」+http://sakamotoakiraf.hateblo.jp/新ブログを開設した理由は、メインブログでは歴史のグループに参加できなかったので、歴史のグループに参加できるブログを必要としたためです。 新ブロ…

父親のわからない貴族達と神の血を棄てた武士達

「近親婚の古代史と父親のわからない貴族達」で述べたように、日本では父親が誰かわからない子供が産まれても、その子供に父親と血統をあてがい、男系社会を維持する努力が、かえって男系社会の形成を阻害してきた。 http://sakamotoakirax.hatenablog.com/e…

『罪と罰』のクライマックスは「ソーニャへの告白」

「で、どんなふうに殺したと思う? あんな殺し方ってあるものだろうか? あのときぼくがでかけて行ったように、あんなふうに殺しに行く者があるだろうか? どんなふうにぼくが出かけて行ったか、いつかきみに話してあげよう……果たしてぼくは婆さんを殺したん…

『汚い』音礼讚ーージャニス・ジョプリン

私は、はてなの盟友引っ込み屋氏のブログ『引っ込み思案』の愛読者である。 引っ込み思案 http://hikkomiya.hatenablog.com/ 引っ込み屋氏のように、素人には困難な音楽理論を、素人の私にも伝わるように文章を書ける人物はめったにいない。 私の音楽の見識…

安倍首相が「憲法改正に意欲」を示した意味 (おまけ)謎の共産党投票者達

前回、いや、第47回衆議院選挙と呼ぼう。 47回衆議院選挙後に、安倍首相は池上彰氏との対談で、 「今回の選挙で、政府は集団的自衛権の行使容認について国民の承認を得た」と述べた。 この件について、ハフィントンポストの記事があったが、残念ながら今は削…

近親婚の古代史と父親のわからない貴族達

『古事記』『日本書紀』に狭穂姫、狭穂彦の物語がある。 狭穂姫は垂任天皇の皇后で狭穂彦はその兄である。しかし狭穂彦が天皇を殺すことを企む。 狭穂彦は狭穂姫に、「私と夫のどちらが愛おしいか」と尋ね、狭穂姫は「兄の方が愛おしい」と答える。すると狭…

2010年代を決定づけた作品~『八日目の蟬』

最初に読んだ時は、涙が止まらなかった。 しかし、その後に沸き上がる違和感。涙など流す必要はない。涙を流す作品でなくとも、私は真実を見たいのだ。 最初の数ページと、ラストの数ページを読めばわかる。この小説は構成が破綻している。最初の数ページで…

『水瓶座の女』成立の背景

7年前、擬装請負に巻き込まれた。 巻き込まれたというのは、会社が擬装請負をしているのを知ってしまい、しかもそのことを会社側に知られてしまったということである。 会社側に警戒されていることに気付いた私は、立場を守るために画策した。いざくびになっ…