坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

ナンセンスギャグの限界~『暗殺教室』

出欠確認と同時に始まる一斉射撃。 不意討ちでターゲットの命を狙う生徒達。マッハ20のターゲットは生徒達の攻撃を難なくかわす。 ターゲットは最高の教師。殺せんせーの指導で、生徒達は勉強にも自信をつけていく。 勉強も暗殺も一生懸命。まかり間違って流…

弁護士が無能すぐるww①

『水瓶座の女』を出版した太陽出版の編集プロダクションのザブックからは、2年間印税をもらっていない。 『水瓶座の女』がいくら売れたのかもわからない。2014年の夏まではザブックの山下隆夫と話していたが、話が進展しないのと、私自身本が売れていなかっ…

法曹界が尻軽すぎる

日本の自衛権に関わるものとして、有名なものに砂川判決がある。 憲法第9条は日本が主権国として持つ固有の自衛権を否定しておらず、同条が禁止する戦力とは日本国が指揮・管理できる戦力のことであるから、外国の軍隊は戦力にあたらない。したがって、アメ…

第二次世界大戦とチャーチル

第二次大戦の連合国のリーダーであるチャーチルは、アメリカが参戦するまでの苦しい期間、地中海作戦によって逆境を凌いでいた。 開戦まもなくフランスを占領し、イギリスを空爆、スカンジナビア、さらにソ連と戦線を拡大していくナチス・ドイツ相手に、チャ…

超個人主義者達はなぜ生まれたのか

sakamotoakirax.hatenablog.com の続き。 90年代の超個人主義者は時代を騒がせたが、その後話題になったことがない。 むしろ話題になったのは、父親を尊敬する子供達の方である。 香山リカが『ぷちナショナリズム症候群』を出版したのは2002年である。『ぷち…

ドラゴンボールを考える②~悟空はギニューに10倍界王拳を使っていない

日本型ファンタジーの誕生⑥~ドラゴンボールを考える① - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 で述べたように、『DB』は悟空がピッコロと天下一武道会で戦う時まで、実にゆったりとストーリーが進行する。 孫悟空を中心とした、読んでいて読者が安心できる…

殺人事件の傾向が変化している

9月から、毎日数回殺人事件をネットで調べていた。 私はいずれ、日本の犯罪発生率が挙がると思っている。それで毎日検索していたのだが、殺人事件がしょっちゅう起こってはいても、殺人事件が増えているという印象までは持たなかった。殺人件数までは調べて…

日本型ファンタジーの誕生⑥~ドラゴンボールを考える①

『ドラゴンボール』(以下『DB』)は最初は盗賊や世界征服を企む集団などを敵としていくが、長期化するにつれて物足りなさを感じてきたところで、ピッコロ大魔王が登場する。 ピッコロは世界の王となった後、「犯罪をするのも自由」とする。 世界征服とは税…

90年代の超個人主義者達

「なぜ人を殺してはいけないのか」と大江健三郎に質問し、「その質問自体が間違っている」と回答される。 コンビニの入口付近の縁石に座り込み、事あるごとに既成の概念に対立した世代、つまり90年代の超個人主義者と呼ぶべき者達。私は彼らと学生時代に出会…

日本型ファンタジーの誕生⑤~アイアムアヒーロー①

『アイアムアヒーロー』4巻で、鈴木英雄と早狩比呂美が、ZQN化した比呂美のクラスメイト二人に襲われる。 ZQNとなった可南子が比呂美と英雄に襲いかかるが、もう一人のZQN、紗衣が可南子に噛みつき、紗衣の意図が不明ながらも、比呂美と英雄を助ける格好にな…

ヒューマニズムと社会性

最近思っていて、書きたいと思いながらどう書けばいいかわからなかったことを書こうと思うきっかけになったのは、この記事である。 blog.kuroihikari.net この記事はきっかけであり、本筋についてどうこういうつもりはない。ただ気になったのがこの一文であ…

日本型ファンタジーの誕生④~戦後の平和主義的正義観を変えたガンダム

戦後のストーリー作品で勧善懲悪をテーマとした作品で、『ウルトラマン』などに登場する怪獣の多くは、猛獣をイメージさせるキャラクターと思われる。 猛獣は本能に従って行動しているだけだが、人間にとって有害なので駆除する。怪獣達も本能で行動している…

日本型ファンタジーの誕生③~鬼退治と平将門と江戸時代の妖怪

①どのようにして日本型ファンタジーは生まれたのか。 ②日本型ファンタジーはどのように展開、発展するのか。 と 『進撃の巨人』を考える④~日本型ファンタジーの誕生① - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 で述べたが、前回②を先に書いたのを言い忘れた…

日本型ファンタジーの誕生②~主人公を傷つけるヒロインと距離感のあるヒロインたち

日本型ファンタジーのヒロインについて考える時、私が思い出すのはこのマンガである。 小池田マヤ「不思議くんjam」の感想を書いてみた - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 では書いてなかったが、『不思議くんjam』ではヒロインが主人公のライバルと肉体…

庵野の警告『シン・ゴジラ』

本当は『帰ってきたヒトラー』を観ようと思っていたが、もう上映が終わっていたので『シン・ゴジラ』を観た。 観て良かった、と思った。 巷では、不測の事態に対応出来ない日本の問題を扱った映画として話題になっている。 しかし、はてなブログでの感想は肝…

『進撃の巨人』を考える④~日本型ファンタジーの誕生①

『進撃』16巻で、囚われたエレンは自分の持っている巨人の力「座標」が、レイス王家の者でない自分が持っていても「世界の記憶」を引き継ぐことができないことを知る。 「世界の記憶」を継承した者は、その記憶を人類に広めることができるが、それをした者は…

『NANA』は日本人の人間関係を変えた。

私はこのマンガを見た時、「現実にこんな頭のいい奴らはいない」と思った。 別にタクミやヤスのような、格別に頭のいいキャラだけではなく、ハチやノブといったアホキャラさえ、私の知ってる人よりずっと頭がいいと思ったのだ。 もちろんそれは連載当時、単…

二個だけ

kutabirehateko.hateblo.jpに対して。 コメント載せろと言ったのは、そっちが質問したのに載せなかったから。そういうのは印象操作と思われても仕方ない。 承認制は否定しないが、注意しないと印象操作と思われるし、いちいち言い訳するくらいならコメント欄…

くたびれはてこはたちが悪い。

ある記事についてブクマとコメント欄で議論していたが、「そっちのブログで書いて」と言われたので、遠慮なく。 まず引っ掛かったのはコレ kutabirehateko.hateblo.jp はてこはここで、元エントリーと後続エントリーの内容について語っているが、問題は、 わ…

ロシア遠征からナポレオンを見る

1812年、ナポレオンはロシア遠征を起こした。 ナポレオンが集めた大陸軍は691500人。歴史上、これだけの規模の軍勢を集めた例は他にない。 ロシアに進攻した大陸軍は、一路モスクワを目指す。 途中、戦闘はほとんど行われなかった。 8月に入って、両軍はよ…

イスラム国を考える

イスラム国は、アメリカやロシアの攻撃により、少しずつその領域を小さくしている。 一時期、イスラム国は今年中に殲滅できるという予測もあった。もしそうなれば、テロの脅威も薄らぎ、この記事も見向きもされなくなるのではないかと恐れながら書いている。…

まどかの決断は自己犠牲ではない

アニメは見ずに、マンガですませた。ただ動画を見る限り、アニメとマンガはほぼ同じ内容なので、その点気にしないで書いていく。 マンガを読んだことで、ひとつ発見があった。それは アニメのキャラの顔横に長すぎ ということである。マンガの方は顔の形が均…

『進撃の巨人』を考える③~世界観を知りたい強迫観念が世界観を生み出す

普通のファンタジー作品は、ドラゴンや魔法などの我々に馴染み深い、特に西洋のファンタジーの世界観を導入して、読者をその世界観に入り込ませる。 『進撃』の世界観の作り方は、そうではない。 読者は世界観を把握していないために、『進撃』の世界観を知…

エマニュエル・トッド

エマニュエル・トッドの本を私は一冊も読んだことはないが、Wikipediaを見ると、どれだけすごい人物かわかる。 エマニュエル・トッド - Wikipedia トッドは家族制度が社会の価値観を決定すると主張し、この価値観から、各国の有り様を説明した。なぜ共産主義…

トランプ氏から見る世界情勢

米大頭領候補のトランプ氏は在日米軍の駐留費を日本が全額負担せよと主張している。 ならばそれを受け入れて、アメリカに地位協定の改善を求めればいいと思っていたが、額を見て驚いた。5兆円である。情報はこちらからである。lullymiura.hatenadiary.jp今…

ケネディ神話の実像に迫る

『進撃の巨人を考える』のシリーズを更新しようと思ったが、イギリスのEU離脱であちこち話が盛り上がっているので、国際政治の記事を書くことにした。 しかし今まで国際政治の記事を書いていないので、下準備ができていない。そこで今回はイギリスともEUとも…

『進撃の巨人』を考える②~訓練兵は二度特攻する

エレンが巨人に食われて、しばらく主人公不在でストーリーが進んでいく。 エレンの死を聞いて、ミカサは逆上し、ガスを使い切って戦闘不能になる。 一度は戦うことを諦めるが、ミカサは「戦え!!」という、かつてのエレンの言葉を思い出す。それはミカサが誘…

『進撃の巨人』を考える①

『進撃の巨人』(以下『進撃』)は、出版不況と言われる中でヒットしている数少ない作品のひとつで、2015年10月時点で累計5000万部を突破している。 一冊あたり200万部超えで、2000年代ならしばしばあったが、最近では一冊あたり100万部超えもない中では珍し…

見えない世相②~ネガティブな誠実さ

見えない世相①~核を攻めない人々 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」以来、1年2ヶ月ぶりのシリーズ再開である。 このシリーズが長期に止まったのは別件により書く余裕がなかったからだが、あまりに長く期間が空いたため、今回はあまり詳細に分析せず…

橋下徹は必ず復活する

今さら言うまでもないことである。 実に今さらだが、別件によりリアルタイムに書けなかったので、今回の投稿。 以前、同様の記事があり、その記事では橋下氏が復帰したら、 「みんなで『嘘つき』と言いましょー」 と言っていた。バカバカしくてそれ以上読ま…