2016-01-01から1年間の記事一覧
昭和のマンガに出てくる風景は大体そうなのだが、『あしたのジョー』のドヤ街のような風景を、私は見たことがない。 もちろん、古くさい街並みを見たことはあるが、それは『あしたのジョー』の風景とはどこか違う。 「こんなところに人が住めるのか」という…
敗戦の焼け跡の中、 「いやあ、俺はあの戦争は負けると思ってたんだよ」 と言う人が、多数現れた。 あさましくも、生命力に溢れる光景である。戦時中は戦争に一切反対しなかったのは、生き延びるためだという意味が、この言葉の言外にある。 「いやあ、俺は…
シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 前回、ブクマで次回に期待するような発言があった。しかし申し訳ないが、ストーリーとしてはこれで終わりである。なぜならこの後のことは、『水瓶座の女』成立の背景 - 坂本晶の「人の…
シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 10月15日朝、私はいつも通りにアパートを出た。 しかし会社には向かわずに、検察庁に向かった。 8時頃、私はΘ係長にメールを送った。 〈検察庁に行くので、会社休みます〉 まだ検…
シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com (早速戦いの準備だ) アパートに帰り、クリスタルグループとQ社の雇用契約書を探した。 (B社とR社という、Aグループの二社を又にかけた擬装請負事件だ。日本中大騒ぎになるぞ) まず…
シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 「坂本はQ社の営業所に行くことになっているから、今日は定時で上がらせるように」 と翌日、朝礼で言われた。 (のっけから釘を刺された感じだな) 「お前、何の用だと思う?」 Vさん…
シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 9月になった。 この頃になると、私の心境も変わってきた。 それまでは、なんとか今の地位を確保するための行動であり、それができなければ、今の地位に替わる何かを手に入れるための…
シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com 2008年、夏。 私のいる部署は冷房がないので、入口の扉を開け放しにしている。それで涼しくなるとは言わないが、苦情を言わずに作業できるくらいにはなっている。 クリスタルグループ…
シリーズ一回目から読みたい方はコチラ↓ sakamotoakirax.hatenablog.com Aグループと戦う。 戦う方法、それは内部告発しかない。 それは、私にとってAグループに派遣されることに、全く未来がないことを意味した。 (それなら、Aグループとの戦いを小説にし…