坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

2022-01-01から1年間の記事一覧

戦争と平和を考えるマンガ⑤〜『乙嫁語り』:女性の大事なものを大事にすれば社会制度は関係ない

『乙嫁語り』の著者森薫は女性ではなく男である。 それでも私はずっと女性らしいマンガ家だと思っていた。そう思うのは『乙嫁語り』の作風にある。 女性作家の作品はたまに、構成の緊密性を欠いているものがある。それが悪いというのではなく、ヘンリー・ス…

孤立主義的な国は日本に味方したいが、韓国との関係改善を望んでいる

日本がある極東というのは、非常に国が少ない。このことが日本にとって悩みの種で、ロシア、中国、北朝鮮に囲まれ、特に中国に対抗するのに同盟できる国が存在しない。 何をおいても韓国と仲が悪いのが問題で、ついこの間も韓国の外相が「敵基地攻撃能力につ…

「一切に打ち勝つ」ブッダの一切知

『ブッダの論理学五つの難問」という本がある。現代の論理学が扱えないものをブッダが扱っており、ブッダが現代論理学を超えていたことを示す良書である。 ブッダはソクラテス、キリスト、孔子と並び、世界の四大聖人と呼ばれる。 聖人とは謙虚なものだが、…

国際秩序の正統性を第二次大戦に求める「連合国」と核シェアリング

日本の安全保障について述べたいと思う。 国土防衛という観点でいけば、いかに防衛力を完璧にするかということをひたすらに追求すればいい。そのように考えれば、核武装の議論は欠かせないだろう。 日本が核武装すれば、人の住む地域での国土防衛は完璧にな…

「愛」を発見した西洋と聖杯伝説

古今東西、世界は全て母系、または母系と父系の双系制の社会だった。 この双系制の社会を、ユーラシア大陸では父系制の社会へと整理していった。 古代において、愛は決して称賛されなかった。アポロンとダフネの例や、トロイア戦争でのパリスとヘレネのよう…

信長の戦い⑦〜夢で終わった「信長による」高野山無血武装解除

信長の天下布武の軌跡は、よく見れば歪である。その最も良い例は、1575年の越前一向一揆の殲滅から1578年の上杉謙信の死まで、信長の勢力が全く拡大していないことである。武田信玄が生きており、浅井・朝倉が存続していた頃なら、勢力が広がらないのもわか…

派遣の問題を解決するには30年かかる②

日本で労働運動が盛んになったのは、マルクス主義は入ったからである。マルクス主義は明治期に輸入され、戦前の大政翼賛会の時期を除いて日本の労働運動の精神的支柱となった。マルクス主義は労働運動だけでなく、進歩的文化人の精神ともなった。日本のマル…

派遣の問題を解決するには30年かかる

私は前に勤めていた派遣の仕事で直接雇用を求める裁判を起こし、最高裁までいったところで上告棄却された状態にある。この裁判についてマスコミにリークしようとしたことが派遣会社と派遣先にばれ、「コロナ禍によるリストラという名目で雇い止めにあった。…

全て自分で決めれば罪悪感から自由になれる

「策が成功した!」と<p><a href="https://sakamotoakirax.hatenablog.com/entry/2014/11/10/014748?_ga=2.215901463.1860501792.1537344223-543134467.1537344223" data-mce-href="https://sakamotoakirax.hatenablog.com/entry/2014/11/10/014748?_ga=2.215901463.1860501792.1537344223-543134467.1537344223">不作為の行為は加害行為である - 坂本…</a></p>

コンスタンティヌスになろうとした伊達政宗

伊達政宗は17歳で家督を継いでから7年、若干24歳で奥州南部を統一した。その領国は140万ほどになる。 秀吉に臣従する前の政宗の支配地域は、山形県の置賜地方、宮城県、福島県に及ぶ。政宗は会津黒川(若松)に拠点を移す前は米沢にいたが、政宗は家督を継い…

永劫回帰を受け入れよ〜安倍元首相暗殺事件に接して

ニーチェは「神は死んだ」と言ってキリスト教を批判した。キリスト教の精神を弱者のルサンチマンと言い、超人思想、力への意志を説いたニーチェの影響は多大だった。 しかしこれだけなら、ニーチェの思想はマキャベリズムで多くを補完できてしまう。『君主論…

淡路島を取らなかった長宗我部元親

長曽我部元親ほど小説にならない存在はない。 間違いなく英雄であり、四国を統一した(統一していないという説もある)業績を持ちながら、元親を小説にしようという者が現れないのである。 元親を書いた小説で有名なのが、司馬遼太郎の『夏草の賦』だが、

歴史に見る「統合」と「分離」の論理

今はロシアのウクライナ侵攻に注目が集まっているが、その戦争のニュースを見ていく中でわかってきたのは、歴史は時代が下るほどに、戦争、それも対外戦争は起こしにくくなっているということだ。 「そんなことを言っても戦争は起こってるじゃないか」と思う…

ロシアは中央集権を止め、ゆるやかな連邦制に移行すべき。

5月9日の対独戦勝記念日で、ロシアのプーチン大統領は戦争宣言をしなかった。 そのためロシアによるウクライナ侵攻は、ロシア国内では特別軍事作戦という位置付けになっている。ロシア軍の兵士が脱走しても、ロシア軍はその兵士を軍法会議にかけることができ…

日本人は論理的になったのか?

私はまだ50前だが、私が若い頃に読んだ本などを読み返してみると、文章の書き方が随分変わってきているのがわかる。 司馬遼太郎の『夏草の賦』を読んでみたが、非論理的とまでは言えないかもしれないが、それに近いものを感じることが増えたのである。 『夏…

日本の歴史を変えた、マウンティングによる「政権」システム

日本の歴史には「政権」というものがある。 まず、「政権」が普通の政権、つまり安倍政権とか岸田政権などではなく、平氏政権や織田政権や豊臣政権などと何が違うのか説明しよう。 ここで名前をあげた政権は、「政権」でありまた「政権」ではない。つまりこ…

プーチン暗殺、ロシア連邦解体もあり得るウクライナの戦争

ロシアはポーランドとブルガリアにガス供給の停止を通告した。アメリカをはじめNATO諸国が武器供与などの支援により戦況はウクライナにやや有利となっている。ロシアがマリウポリを陥落させたことで、5月9日の対独戦勝記念日までにもう少し成果を挙げたくて…

ロシアは拡大したのと同じ時間をかけて領土縮小する

ロシアのウクライナ侵攻について。 ロシアという国は、アジアには強いがヨーロッパに対しては弱い。ロシアの歴史を見ていくと、新兵の訓練不足とか君主の戦略の誤りとか、今のウクライナの戦争に共通する問題があるのに気づく。 長い間ロシアはヨーロッパの…

日本型ファンタジーの誕生(39)東京喰種∶8〜受け入れたカネキ

カネキは自責の人間である。 金木研の名前は、太宰治の出身地青森県北津軽郡金木村から来ている。つまりカネキは太宰と対比されている。 同類ではなく対比されているのである。「この世の全ての不幸は当人の能力不足」というヤモリの信条を、敵として憎みな…

日本型ファンタジーの誕生(38)東京喰種∶7〜カネキの非暴力主義の末路

「結構弱い動機なんですよ」とカネキは言う。後にカネキは「何もできないのは嫌だ」が口ぐせになるが、作者はカネキを一見、どこまでも青臭い人間であるかのように描いている。しかしこの見かけは作者による偽装であり、カネキの心境はかなり成熟している。 …

日本型ファンタジーゲームの誕生③『ドラゴンクエストVIIエデンの戦士達』②〜男が女を救い、娘は父親と再会する

今回は『ドラゴンクエストVIIエデンの戦士達』のグリンフレークとメモリアリーフの物語を中心に書いていこう。日本型ファンタジーゲームの誕生②~『ドラゴンクエストVIIエデンの戦士達』1:ゼボットとエリーの物語に我々が感動する理由とは? - 坂本晶の「人…