坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

プーチン暗殺、ロシア連邦解体もあり得るウクライナの戦争

ロシアはポーランドブルガリアにガス供給の停止を通告した。アメリカをはじめNATO諸国が武器供与などの支援により戦況はウクライナにやや有利となっている。ロシアがマリウポリを陥落させたことで、5月9日の対独戦勝記念日までにもう少し成果を挙げたくて、そのためにNATO諸国のウクライナへの武器供与を止めさせたかったのだろう。
ロシアは核兵器の使用も示唆している。実際に核兵器が使用される危険性は低いと思うが、原発の攻撃や占領地の住民の虐殺など、ロシアが国際法違反を繰り返しているのは、プーチン政権の存続がこの戦争に勝つことしかなくなっているからである。経済制裁によりルーブルが大幅に下落し、デフォルトの危機に直面すると、ロシアは金利を20%に上げてルーブルの値を戻した。こんな高い金利では、ロシア経済はガタガタだろう。今年のロシアGDPはマイナス10%くらいになるのではないかと予想されている。
作戦に失敗したり、良策を提言する軍人が粛清されるという、ロシアの歴史的な欠陥も露呈している。黒海隊司令長官のイゴール・オシポフ氏がロシア連邦保安庁に逮捕された『モスクワ』沈没の責任を負わされたのだろう。
セルゲイ・ショイグ国防相は、3月中旬から2週間ほど行方不明となったらしい。ショイグ氏はウクライナとの戦争に異議を呈していた。
またロシア国内で不審な火災が起こっている。
ロシアのブリャンスク州にある燃料貯蔵施設で火災が発生している。ブリャンスク州はウクライナ国境に接する州で、燃料貯蔵施設はウクライナ国境から100ほどの距離だが、もっともこの件はウクライナ軍が無人機で越境して攻撃しているという発表がウクライナ側からありウクライナによる攻撃の可能性が高い。
しかし、モスクワ北西のトベリ州にある露国防省の研究施設でも21日に火災が発生し、6人が死亡した。
こちらはモスクワ近郊で、ウクライナ側が越境して攻撃できるとは考えにくい。こういう研究施設は本来警備が厳重な施設のはずである。そういう施設で火災が起こるということは、何か反政府的な動きがあるのかもしれない。
ロシアはプーチンの強力な独裁により、反政府組織は活動が難しいほどダメージを受けていると思うが、反政府組織が消滅したということはないだろう。そういう反政府的な動きが、経済の混乱したロシアで起こっていたとしても不思議ではない。
プーチンが政権維持のために戦争を継続し、核兵器の使用も示唆し続けるならば、核兵器の使用と戦争を終わらせるためにはプーチン政権の転覆を狙うしかないことになる。戦争の継続は無理があり、軍部もプーチンによる粛清のため、一枚岩にはならないだろう。このように考えると、軍事クーデターによるプーチン暗殺、または失脚も十分に考えられる。NATO諸国もこの間バイデン大統領が口を滑らせたが、既にプーチン政権転覆に向けて動いているのかもしれない。
今回のロシアの戦費は莫大なものであり、ロシア経済が回復するまでに数十年かかるだろう。金利17%で中小企業が倒産し、大企業による寡占、独占の経済となり、貧富の差が拡大しソビエト経済のようになる。ガス供給停止などもロシアのブロック経済化に拍車をかけることになる。
ロシアの経済力が衰えると、旧ソ連圏のロシアの衛星国でロシアの力を頼みに独裁を行っているベラルーシカザフスタンカフカス地方などで民主化運動が盛んになる可能性がある。この民主化運動はロシアの衛星国に対する、ロシアの遠心力として作用するだろう。ロシアは衛星国と協力して民主化運動を抑えようとするだろうが、その行為がロシア経済の再建をさらに遅らせるという悪循環に陥る。
こうなるとソ連時代のように、ペレストロイカのような動きがいずれ現れると考えられるが、それがいつのことになるかはわからない。その間、失業者は徴兵され、不満分子として成長する前に効率的に処分されるだろう。
しかし一度ペレストロイカのような運動が起これば、ロシア国内の自治共和国などで一気に独立運動が起こり、ソ連崩壊に次ぐ第二のロシア解体につながる可能性があるといえるだろう。

ウクライナの戦争の特徴は、兵器の消耗が非常に激しいことである。
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/ca25078c1d42c24670ff619ffff4169905b64881&preview=auto
アメリカのジャベリンの3分の1が消費されている。
冷戦時代、アメリカは2方面以上の戦争に対応できるほどの軍事力を持っていた。それが開戦2ヶ月でこれほど兵器を消耗するほどアメリカは弱体化したのかと、驚きを禁じ得ない。
もっとも今回のウクライナでの戦争くらいの規模の戦争ができる国などロシアと中国しかないのだが、このような戦争を、アメリカは今後何回もやれないのかもしれない。たとえ直接参戦しない武器供与の協力だけだとしても。
その場合、今後起こり得るいくつかの紛争を、アメリカは切り捨てる可能性がある。既にアフガニスタンは完全に見捨てた。
アメリカの戦略は世界の警察を止めているのはもちろんだが、戦略をNATO諸国と極東、つまり対ロシアと対中国に絞っているのだろう。しかしこのアメリカの消耗ぶりでは、この2方面戦略さえ継続して行えないかもしれない。
中国は現在、ロシアに浴びせられる世界中の非難を見てなりを潜めている。つまり台湾侵攻などを行う意思の表明は、ウクライナの戦争の最初の頃と比べて控えているということだ。しかし警戒心を解いてはならないのは、アメリカがこの戦争で兵器が払底した時が、中国が台湾や尖閣諸島に侵攻する狙い目だということだ。
憲法9条は他国に侵攻する、つまりウォーポテンシャルを禁止するものであり、専守防衛のための軍事力の保持を禁じるものではない。
日本は防衛費を拡大し、憲法の認める範囲で中国の野心に備えるべきだろう。

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