坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

ファンタジーゾーン

私はファミコンまでしかゲーム機を持ったことがないが、家にはいくつかのアクションゲームがあった。
アクションゲームの中にはシューティングゲームもあったが、正直シューティングは飽きるのが早かった。シューティングでそれなりにやり込んだのは『ゼビウス』『ツインビー』『ファンタジーゾーン』の3つだった。
ゼビウス』はそれまでのインベーダーゲームの延長線のシューティングを、縦または横に自動でスクロールし、縦スクロールの場合は空中と地上を別々に攻撃するスタイル、そしてアンドアジェネシスのようなボス的キャラの登場など、その後のシューティングゲームを方向づけた画期的な作品であった。
ゼビウス』を作った遠藤雅伸は天才としか言いようがないが、その功績の偉大さの割にはシューティングはジャンルとしてはパッとしなかった。
その理由は、ひとつには後発の西洋ファンタジー的世界観のRPGにシェアを大きく奪われたこと。
ふたつ目の理由は、出現パターンの固定はとにかく飽きる。
別にシューティング以外のアクションゲームも出現パターンは固定なのだが、アクションゲームは攻撃以外のアクションにウエイトが置かれており、それが展開のランダム性を維持していたが、シューティングは文字通り敵を撃ちまくるゲームで出現パターンの固定化はそれだけ早く敵を撃つことにつながり、プレイの固定化になる。
遠藤雅伸はこの問題点をきちんと理解していたようで、特定の地上物を破壊すると敵の出現パターンも巻き戻るシステムを作っていたが、他のシューティングはこのシステムまで導入はできなくて、出現パターンは完全固定になってしまった。
理由の3つ目は、無機質なメカはマンネリ化しやすく、マンネリを打破しようとするとすぐにでっかい脳ミソとか、触手とか細胞がウニョウニョした気持ち悪い世界に行ってしまうのである。
これは1978年の『ルパン三世』の映画(現代はルパンVS複製人間というサブタイトルつき)ででっかい脳ミソが宇宙に飛び立つシーンがあり、その時から始まった傾向で、『AKIRA』や『寄生獣』につながる流れである。
この流れをゲーム業界では、シューティングが真っ先に影響を受ける運命にあった。無機質なメカのシューティングがなぜ有機質の細胞ウニョウニョの世界に突入してしまうかというと、キャラデザの幅が広げられないからである。これが人型ロボットならなんとかなっただろうが、ただの戦闘機だとどれも同じに見えてきて、ネタが尽きたところで細胞ウニョウニョの世界に突入してしまう。しかし細胞ウニョウニョもまた我々の深層心理にあるもので、おいそれとはなくならなかった(シューティングは真っ先に細胞ウニョウニョの影響を受けたが、影響を受けていたのはサブカル全体だった。だからRPGや西洋的ファンタジーも影響を受けたが、西洋的ファンタジーはその世界観の奥深さのため影響は少なかった)。
私はそれが嫌で、『ツインビー』と『ファンタジーゾーン』が好きだった。このふたつの作品の共通点はどちらもかわいいことである。
ツインビー』は全ステージで敵キャラを別にしていたのもあって、それだけで出現パターンの固定化は気にならなかった。『ファンタジーゾーン』の左右どちらでも行ける仕様になっていて、敵の出現パターンを気にしたこともなかった。
もっともアクションが苦手な私としては、自分でやるよりも人がプレイしているのを見るのが好きだったりする。
アーケードで真っ直ぐに伸びるレーザーを見た時は感動ものだった。ファミコン版ではレーザーを完璧に再現できなかったけどね。もっとも7方向ショットが一番有効ってことでそればかりやってたけど、ステージ1では必ずレーザーを使っていた。
しかし左右どちらを向いても撃てるというのは一見自由度が高そうだけど、かえってめんどくさかったね。うまい人は一方向にだけ撃ってたようだったしね。だから『ファンタジーゾーン』は『ゼビウス』のようにその後のシューティングの方向を決定づけることができなかった。
それにしても『ファンタジーゾーン』はボスキャラが面白いんだよね。特にラウンド7のアイダ・ツーってヤツ。四角い顔はバラバラで登場してきて、次第に収斂してひとつの顔になってそれに触れたらアウトで、攻撃も顔が合体している間だけ効くヤツ。もう「こういうプレイがあっていいんだ!」っていうのがすごく嬉しいのね。
初代ゼルダでもラスボスのガノンが完全に姿が見えなくて、盲滅法に剣を突き出して倒すんだけど、だからってそんなに強くはないけど、こういうサービス精神が嬉しいのね。3Dになってからガノンは姿が見えないというのはなくなったけど、3Dで姿が消えた鬼畜過ぎるけど、2Dでも消えるガノンの方が私は好きだったね。
それにラスボスのオパパとネノン虫。ネノン虫が通った跡は通り抜けできないようになるヤツ。あれもサービス精神満点だった。ラスボスは見る専門だったけどね。

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