韓国事情について。
なるほど、これでわかった。なぜ従軍慰安婦の訴訟が話題にならないのか。防弾少年団の長崎の原爆のTシャツ騒動の時、わずかに思ったのが、韓国の反日行動も随分隠微になったということである。
反日感情が無くなったのではない。ただ以前ほど直接的な言動を取らなくなったのである。
その理由は、韓国人が日本とこれ以上対立するのはまずいと思い始めたということだろう。
兆候は、以前からあった。で、韓国の反日的な態度を改めるようにいう者が、少数ながら存在したことを述べた。それが南北和解を経て、反日感情が直線的でなくなった遠因である。韓国は北朝鮮との和解の道を歩むしかなくなった。そうなれば親日的な態度はますます難しい。それが大国の影響化に甘んじなければならないことを、韓国人に強く感じさせているのである。
韓国は儒教の国である。
その韓国の、国民の20%がクリスチャンである。長い布教の歴史によらず、近代以後に国民の20%がクリスチャンになったのは韓国だけである。
私の韓国に対する見識に、井沢元彦の本にあったわずかな知識とネットの情報のみで、長い間なぜ韓国のクリスチャンが20%もいるのかがわからなかった。しかしここにきて、おぼろげに見えてきたことがある。
韓国人は、儒教にうんざりしているのではないか?
近代以前、朝鮮半島は中国以上の儒教国だった。
歴史を通じて中国の従属国だった朝鮮半島は、中国以上の儒教国になることで、自分達こそ中華だと思うことでそのコンプレックスを乗り越えようとした。しかし近代以後、朝鮮半島は日本の植民地になり、二次大戦後は南北に分裂、韓国はアメリカに従属し、儒教にアイデンティティを求める理由が無くなった。それが韓国でクリスチャンが激増した理由だろう。
韓国の歪みは、歴史的に常に大国に従属しなければならなかったことにある。それは儒教にアイデンティティを求める理由が無くなってからも、形を変えて存続している。
それでは文政権は、なぜ慰安婦財団を解散したのか?
それは反日行動を取るのに怯みがちな世論を喚起するために、慰安婦の退路を断ったのだろう。
ここで
食いものにされる日本 - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」
で述べた、ロシアがなぜこの時期に領土問題を棚上げにして平和条約を締結しようと持ち掛けてきたか、答えを言おう。それは、将来中国がシーレーンを握るのは確実だと見たからである。
戦後の日本は、エネルギー資源を中東に依存してきた。
原油産出量世界第一位のロシアからでない理由はもちろん冷戦があったからである。北方領土の問題があるため公には語られないが、実は北方領土など放り投げてロシアと平和条約を結んでしまえば、シーレーンを中国に抑えられてもエネルギー問題は解決する。ただし今後はロシアと中国の意向には逆らえなくなる。
もちろんアメリカが今すぐアジアから撤退するということではないが、いつでも撤退できるようにしているということである。それが南北和解により可能となった。
中国がシーレーンを抑えるとは、東南アジアが中国の傘下に入るということである。
東南アジアは中国にシーレーンを握られても問題はない。日本とは利害が違うのである。
日本はかつてフィリピンと同盟を結ぼうとしたが、フィリピンは中国の傘下となった。
利害が違うのに同盟を結ぶには、それなりのパワーがなければならない。日本にはそのパワーがなく、韓国と手を結ぶことでそのパワーを得られる。
つまり、日本には韓国とケンカをする余裕など1ミリもないのである。
韓国と仲良くしなければならないが、ただ韓国にも
韓国はなぜ反日なのか? - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」
で述べたような、なぜ自分達が反日になるのかは理解してもらわなければならないだろう。韓国を信用できないという者もいるが、日本だって憲法をねじ曲げて自衛隊を持ったり、法律をねじ曲げて人の金を横領するのを放置したりしている。歪みのベクトルが違うのと、韓国なら少数派の意見でも取り上げられるのに日本では全く取り上げないのが違うだけで、コンプレックスが歪みを生んでいる点は一緒である。おんなじおんなじwww。
コンプレックスを直視すれば、正しく物事を見て動くことができる。で橋下氏は、2007年の最高裁判決に基づいて、個人請求権は消滅しないが日韓請求協定などによるものは賠償できないとして、労働に違法性があったか調査せよと述べている。
これはむしろ慰安婦に日本の法廷で裁判してもらった方がいいのでは?
慰安婦の訴訟が労働の違法性を焦点とするなら、慰安婦としての補償は慰安婦財団がすることになるので、慰安婦財団を解散した文大統領の立場が悪くなる。
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