坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。新ブログ「人の言うことを聞くべからず」+を開設しました。古代史、神話中心のブログです。

ドラゴンボールを考える⑥~「破壊神シャンパ編」

現在、アニメでは「宇宙サバイバル編」が佳境に入っているが、こちらは三週遅れくらいの「破壊神シャンパ編」www 


悟空が先鋒となり、ボタモに勝利するが、第6宇宙のフリーザであるフロストが毒針での動きを封じ、悟空の場外負けとなる。

 一見、悟空が戦いの場に到着していないか、何らかの理由で戦線を離脱し、最後に戦いの場に復帰して逆転勝利するという、原作以来のパターンの踏襲のように見える。しかし原作では、悟空の戦線離脱は不可抗力である。 

『DB超』でフロストに負けたのも、不可抗力と取れないことはない。 しかし、悟空は「SSJのままでいけると思った」と言っている。

 SSJBで戦ったとしても、フロストの毒針のリスクがなくなるわけではない。しかし危険な相手には、奥の手を出させる前に勝負をつけるのが大事なのである。


 「宇宙サバイバル編」は、勝った方が地球を手に入れる戦いで、悟空達にとっては、負けても地球が第7宇宙から第6宇宙に移動するだけのことである。

 しかしフロストは、負けてはならない敵なのである。 フロストは自ら宇宙海賊を組織して星を襲わせ、その海賊を退治して正義のヒーローとして名を上げていた。

 どうもあまり得にならないような話だが、このエピソードは、フロストがフリーザ以上の悪役だと示すもので、そういう相手に負けてはならないのである。


 この後ベジータがフロストと戦うが、一撃でフロストを撃破している。しかしそれはベジータがフロストの毒針を知っていたからである。そのためベジータはSSJBになる必要がなく、悟空がSSJBで戦うべきだったことを巧妙にごまかしている。


 一方マンガ版ではフロストの自作自演の話はない。 

フロストは第6宇宙一の拳闘士としてエントリーし、「早く済ませるため」に毒針を使っている。 マンガ版のフロストはアニメ版ほどの悪辣な印象はない。

 マンガ版ではピッコロが「これからどんどんフリーザみたいになっていくかもしれんぞ」と言っている。マンガ版のフロストは、反則で負けても傷にならないというサインである。


 ベジータはマゲッタを倒し、第6宇宙のサイヤ人のキャベと戦う。

 しかしキャベは「SSJになる方法を教えて下さい」とベジータに頭を下げ、ベジータが激怒。キャベをどつき回して、煽ってキャベをSSJにする。

 「キャベ情けない」という声がネットでは多かったが、実はそんな単純な話ではない。

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「でボカスカやってればいいんじゃありません?」 と、悟空とベジータは修業をつけているウイスに言われてしまっている。

 プライドも大事だが、素直さも成長するために重要なことである。

 しかし『DB超』の悟空は、亀仙人に「何より素直で真面目」と言われた悟空ではないのである。

これはひょっとしたらキャベが再登場した時にはものすごく強くなってるんじゃないかと思ってたらそんなに強くなってなかったwww

一方マンガ版にはこのウイスのセリフはない。 


ベジータは最後の相手のヒットに「時飛ばし」で破れる。

 悟空はヒットの動きを予測して良い勝負に持ち込むが、ヒットは悟空達の真似をして気合いを入れ、「時飛ばし」の時間を延ばすのに成功する。

 面白いのは、このあたりから「構え」が強調、アピールされるようになってきている。 

『DB』では、最初は悟空も構えて戦っているが、ストーリーが進むとだんだん構えなくなってくる。 

その理由は、強さのインフレで盛り上げている作品で、構えに意味がなくなってきたからだろう。「構え」は脱インフレの意思の現れである。


 悟空破れたり、と思ったところで、今度は悟空がSSJBで界王拳を使う。しかも十倍。

 結局『DB』は脱インフレを目指しても、インフレから逃れられない。


 と思ったら、マンガ版ではSSJGで戦ってヒットを圧倒する。

しかもSSJBは一日に何回もなれず、キャベ相手に一度SSJBになったベジータは、ヒット相手にSSJBの十分の一の力も出していないというマンガ版だけの設定で、SSJGの悟空の方がヒットを上回った。レベルの違い過ぎる相手には「時飛ばし」が通用しないという設定も加味されている。

この設定が妙に説得力があるのは、相対性理論に似ているからだろう。しかも低インフレに成功している。

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そしてビルスは、簡単にSSJBになれない悟空達を理解していないし、リスクを犯してSSJBになったベジータを理解していない。悟空達との間に精神的な交流がないからである。


 以上、今回の内容と、「DB超』4巻を読んで考慮した結果、主役交代があるかどうかはわからないし、ビルスに勝てるとも思わないが、マンガ版は主役失格という意味で悟空を否定するものではないという結論になった。 

その理由もわかっている。作者が提示し、読者が受け入れた世界観を作者が否定するのは本来邪道なのである。だから先行した劇場版とアニメはスピンオフ的なものなのである。 古代史、神話中心のブログ「人の言うことを聞くべからず」+もよろしくお願いします。