坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

いずれ終身雇用制は維持できなくなる

かつて工業が中心の時代には、大量生産大量消費型の経済体制だった。
それが消費者の嗜好の変化により、多品種少量生産となった。現代もその多品種少量生産の流れの中にあるが、現代のそれはただの多品種少量生産とは質的に変わってしまっている。
かつてはイノベーションが新しい産業を生み出すとされていたが、生産量は右肩上がりに上昇するのではない。
例えば電話は携帯が普及し始めた頃は、固定電話があることがひとつのステータスになっていたが、今は固定電話はステータスではなく、固定電話は駆逐される運命にある。スマホはパソコンもテレビもかなりの範囲を代用している。テレビやパソコンがなくなることはないが、スマホによりパソコンはともかく、テレビはYouTubeの普及によりその需要を減らされていくだろう。
本もまた電子書籍の普及により、紙の本は減らされていく運命にある。このことはAmazonの存在と合わせて、本屋の需要を無くしていく。
そして何より、あらゆる店舗で機械による精算が行われるようになり、店員の必要性を大幅に減らしている。
つまり、イノベーションは新しい産業を生み出すだけでなく、それまで存在した産業の需要を減らし、人件費を削減していくのである。世界中で工業化が進んでもそれに合わせて工業の需要が増えていくということにはならない。
水平分業と垂直分業という言葉があるが、水平分業で全ての工業をひとつの国で抱え込むということはできない。
つまり垂直分業にシフトしなければならないが、垂直分業に移行するということはマネーゲームをするということである。
マネーゲームを危険と見る向きは多いが、しっかり勉強してきちんとポートフォリオを組めば、マネーゲームは長期的には資産は増えていく。その一番の理由は政府が経済を下支えできるように紙幣を十分に発行するからである。だから一時的な不況で資産が減少しても、長期的には取り返せる。そしてこのマネーゲームの発展がなければ、先進国は衰退の道を辿るしかない。

また営業の問題というのもある。
営業はかつて司馬遼太郎が一度だけ現代の問題として捉えたことがある。
営業は本来、生まれ持った才能がないとやれないのだが、その営業に多くの人材が従事しないと経済は回らない、そのことを司馬遼は問題にしていた。
だから正直営業はろくでもないものを売りつけられることの方多かったし、金融商品なら顧客が大損することの方が多かった。会社もノルマ達成のために営業マンに顧客の負担を増やす場合もあった。
しかしSNSでこれだけ人がつながることが増えてくると、顧客と営業マンの関係が維持できるのかどうか疑問が生じてくる。営業マンは会社によって商品に限定されているが、その問題の多くを人間関係で補ってきた。しかしこれからはそれができなくなる。
今までの営業の部分に取って代わっているのがインフルエンサーや「推し」なのだろう。
営業とインフルエンサーや「推し」の違いは、会社や会社の商品に制約されない、または制約があってもそれが非常に少ないことだろう。その分人は自由に動けるようになる。
またこのような変化は、営業主体の社会から消費者主体の社会へと変えた。消費者は営業に損をさせられることはなくなった。

そして副業やYouTuberの登場という点を考えると、人間の会社への依存度はますます低下することになる。会社への依存度の低下により、終身雇用制はやがて維持できなくなるだろう。

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