ウクライナ情勢について。
反転攻勢に入って1ヶ月くらいたって、ようやく少し成果が出てきた。
去年はウクライナがかなり勝っていたから、今年も去年と同じくらい勝つのかと思ったが、こんなに粘るとは思わなかった。元々ロシアの戦争は、緒戦で大敗してその後大量の犠牲を出しながら巻き返すというパターンがほとんどである。だからパターン通りということはできるが。
それにしても冬から夏にかけて、ウクライナは相当苦労してた。
まず、プーチンがSTARTの破棄という挙に出たが、その裏には核保有国が今以上に増える可能性を示唆するものだった。中立国がプーチンの言動に反応して、核保有目指してロシアを支援するのを期待した行為である。
それというのも、中国がアメリカや日本に気球を飛ばしたという事件があっただろう。あの事件は、中国がウクライナを攻撃する可能性を示した事件だったのである。
攻撃するといっても、中国がウクライナに一日何発かミサイルを撃つ程度である。湾岸戦争の時、イラクがイスラエルをミサイル攻撃したが、一日にミサイルを数発撃つ程度の挑発に過ぎなかった。挑発してイスラエルに宣戦布告させ、湾岸戦争をイスラエル対アラブの図式にしようとしたのだが、それと同じ、挑発程度のミサイル攻撃を、中国はウクライナにしようとしていた。
たとえ数発程度でも、ミサイルを撃てば交戦状態であり、NATOも中国に配慮しないわけにはいかなくなる。そして中国に配慮している間は、反転攻勢前のロシアへの空爆が関ないのである。ロシア領を空爆できなければ、反転攻勢の成果は下がる。
さらに中国のロシアへの武器輸出事件もこの頃あった。
その頃G7会議があって、林外相が欠席して相当叩かれた。しかし林外相の欠席の真の理由は、中国の溜飲を下げて、中国がウクライナを攻撃しないようにすることにあったと思う。また同じ頃に、邦人が中国当局に拘束されるという事態が起こっているが、林外相は自ら訪中して、低姿勢で対応していた。
その後ロシアはベラルーシに核ミサイルを配備すると言って、紆余曲折の末、これは配備された。しかしキューバ危機の頃ならともかく、今は世界中どこにでも弾道ミサイルが届く。ベラルーシにミサイル配備してもそれほどの軍事的メリットはない。やはりこれも核拡散の可能性を示唆する行為である。
こうして空爆はまた遅れた。
ようやく空爆が実施されて、ウクライナのカホフカダムが破壊され、ワグネルのプリゴジンが反乱を起こし、プリゴジンはベラルーシに亡命した。そして反転攻勢が始まったが、大量の地雷原が設置されて当初は成果がなく、またザポリージャ原発が爆発されそうになったりした。
こうしてようやく、反転攻勢に多少の成果が出るようになったが、まだまだ楽観できないところが多く、NATO諸国の援助も不足しがちである。アメリカでも日本でも、ウクライナにこれ以上武器支援をしない方がいいという声が一定数ある。
それでも、ウクライナ情勢が中国の台湾侵攻の資金石となっていることは間違いない。
ロシアや中国に強硬姿勢であるべきなのはもちろん大切で、国を守る愛国心の強い人は、昔に比べ実に多くなっている。それでも言えることは、タカ派だけが国を守っているのではないのだ。
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