坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

ドラゴンクエスト

RPGは私が小学生の頃に海外から『ウィザードリィ』や『ウルティマ』といったゲームが輸入され、ファミコンより先にパソコンで流行した。日本でも『ザナドゥ』や『ハイドライド』などのゲームが作られたりした。
しかしファミコンにはアクションRPGはあっても、本格RPGがない時代が長かった。
そんな時に出たのが『ドラゴンクエスト』。
『少年ジャンプ』で大々的に宣伝され、キャラクターデザインが鳥山明ということで私も大いに盛り上がっていた。
鳥山明のモンスターのキャラデザが載って、「これってどうやって戦うんだ?」って思っていたのを覚えている。当時ターン制なんてものは知らないし、そんなんでゲームが成立をするとも考えられない時代だった。『ジャンプ』でも「そんなのはやればわかる」と言わんばかりにターン制の説明は一切なし。
実際やってみて、「こういうゲームなんだ」とわかった次第だったけど。

ゲームバランスは……いいね。
まずスタートは、主人公の勇者はぬののふくさえも着ていないすっぽんぽんで王様の玉座の前に登場。当時は「つまり裸じゃん」なんて考えもしなかったっけ。
で王様に120ゴールドもらって、ラダトームの街で買い物するんだけど、攻撃力が2のたけざおと防御力2のぬののふくと防御力4のかわのたてで防御力中心で行くか、攻撃力4のこんぼうを60ゴールドで買って、かわのふくは70ゴールドだからこんぼうといっしょには買えないから、20ゴールドのぬののふくとやはり20ゴールドのりゅうのうろこでかわのふくと同じ防御力4アップになるのでそうするかという選択肢がある。
私は「どうのつるぎを金貯めて買うのが一番早い」と友達に聞いてそればかりやってた(笑)。鎧はくさびかたびらから(ぬののふくなしにくさびかたびら着たらフルチンじゃん)、盾はてつのたてからだった。
それで面白いんだけど……ドラクエ1』はリムルダールに行くまで話が進まない!
まず最初の鍵は玉座の間を出るのに使って、ラダトーム城にはいくつか扉があるがどれも入れず、街に行っても同じことが続く。それがリムルダールまで。
フィールドに行けば、近くにロトの洞窟がある。
その洞窟を見つけたのは友達と遊んでいた時で、慎重派の私は入るの止めようと思ったけど友達は構わず入っていった。
幸いロトの洞窟には敵はいなくて、石板を読んで竜王の島に渡る方法を教えてもらうが、そんなの随分先、終盤の話である。
もうちょっと頑張ると雨の祠に行けるが、雨雲の杖と交換するガライの竪琴はやはり鍵がないと行けない。
マイラに行けば妖精の笛を手に入れることができるが、妖精の笛もメルキドに行ってゴーレムを倒す時まで使う場面がない。
よく言われるが、ラダトームから対岸に竜王の城が見える。
スタートから最終目的地が見えるという秀逸な演出で、確かにそうなんだけど、ぶら下げたにんじんが遠すぎる。
同じ年に発売された初代ゼルダは楽しい仕掛けが満載だというのに。
リムルダールに行って鍵を手に入れて、ようやく世界が広がるのだが、リムルダールに「指輪は戦士のたしなみだ」という兵士がいて、戦士の指輪をはめてみると、「男のくせに指輪なんかして恥ずかしいやつだな」と言われたりする。
他にも「お前がロトの生まれ変わり?何か証拠があるのか」と言う者がいるのでロトの印を持っていってもセリフが変わらなかったりする。『ドラクエ1』ってそういうのばっか。

先に述べたように、私は慎重派で危険なところにはまず行かない。
充分なレベルアップや武器防具を買い揃えてからより強い敵のいる場所に移動する。そのためクリアまでに死ぬ回数も2回低度。
また先に述べたように、王様にもらった120ゴールドに手をつけずに金を貯めてどうのつるぎを買うので、ギラを使う必要がない。
みんな序盤はギラ撃ちで魔法使いなどを狩って金を稼ぐみたいだけど、どうのつるぎを早めに手に入れると、「ギラにMP使うとホイミ使う機会減るじゃん」と思って余計に呪文を使わなくなる。
ラリホーマホトーンは、使う意味があるのかと感じてやはり使わない。こうして私は呪文嫌いになっていく。
常に安全圏で、呪文を使わない戦いばかりをするため私は、
「あーレベル上がんね武器買わんね……」
というたるさをプレイ中味わい続けることになった。
岩山の洞窟というのがあるが、この洞窟、序盤にラダトーム近隣からも見えていたのだが、何度もプレイするうちに、私はその存在をすっかり忘れていた。
忘れた理由はクリアに必要なものが全くないダンジョンだからだが、岩山の洞窟の存在理由、それは金策のためである。
中には100ゴールド前後の金が入った宝箱があり、また奥には高確率でのろいのベルトが、低確率でしのくびかざりが出る宝箱がある。
しのくびかざりは、売ると1800ゴールドになる。
またしのくびかざりが出なくても、洞窟を出て入り直せば宝物は復活しているので、何回も入ればいい金策になるのである。
もっとも小学生の私は、宝物の復活狙いで同じ洞窟に何度も入るのは邪道だと思っただろう。
ドラクエ1』はカタカナの文字数を減らすために「へ」と「り」のひらがなをカタカナで使ったり、「カニ歩き」と言われる前向きのドット絵しかなかったりしたという有名な話があるが、限られた容量に詰め込むためにフィールドも広くはなく、長く遊ぶにはレベルアップや武器防具購入のハードルを上げる必要があった。
そんな大人の事情がわからない私は、岩山の洞窟ではしのくびかざりを手に入れたことはなく、のろいのベルトを手に入れただけだった。それをはめて城に入って、「呪われし者よ出ていけ!」と兵士に言われ城を追い出される。私が初めて差別というものを感じた瞬間だった……。

今はソフトのプログラムを見れる時代になって、いろんなことがわかるようになっている。
それを見ると子供の頃の私の『ドラクエ1』の接し方とは違ったものがあって、「あーみんなこうやってプレイしてたんだ」というのがわかってくる。
多くの人は私と違ってギラから呪文になじんでいって、この敵には呪文が効くとか効かないとかを試しながらプレイしていたんだって。そして私のように安全圏にばかりいずに遠出して、そのフィールドでの呪文での攻略法を見つけたり、失敗して死んだりしていた。
元々武器防具のハードルが高いので、クリアのためにはどこかで本腰を入れてレベル上げをする必要はあるのだが、それでもうまく金策をした人には、より優れた武器防具で、自分のレベル帯よりも上のフィールドでレベル上げができる。
『少年ジャンプ』で『ドラクエ1』の低レベルで竜王のところに行くイベントをやっていて(最低レベルはレベル5。一体どうやったんだと今でも思う)、それも漫然とプレイするとだれるという『ドラクエ1』の欠点を知っていた開発陣が、プレイヤーに低レベルクリアを模索させるためのイベントだった。まあ呪文を使わず金策もなしでプレイしてたらだれるよな。
ドラクエ1』より前の『ザナドゥ』などでは、レベルが上がると鍵の値段が高くなるという設定があって、レベルが低いうちに鍵を買わないとクリア不可能になり、攻撃力は低くても安い武器で熟練度を上げてクリアを目指すシステムとなっている。
その最適解を探るために何度かリセットして再スタートする必要があるが、『ドラクエ1』はそうではなく、それまで積み上げたものでプレイを続けられる。しかし低レベルクリアを目指すことで、『ザナドゥ』のような楽しみ方もできたのである。

たいようのほこらは見つけられなかったね。リムルダールの鍵屋と同じ方法で行けばいいんだけど、行ってみて1マス多く右にずれてラダトームから出ちゃってしまうのね。1マス多く動いてたのに気付かなくて、友達に聞いてようやく行けた。
竜王はレベル18で倒した。
その後レベル24まで上げたが、それ以上は根気が続かなかった。
しかし中には最高レベルのレベル30までやりこんだ人もいて、その「ふっかつのじゅもん」が雑誌で公表されていた。やってみると竜王を5回の攻撃で倒すことができた。
レベル30で武器防具なしの「ふっかつのじゅもん」もあり、それでも竜王を倒せた。竜王を拳で殴り飛ばす勇者、倒れる竜王……うーんシュールだ。
まあ次やることがあるとしたら、どうのつるぎ狙いじゃなくて武器防具コンプリート目的でやってみるのもいいかもね。
あとレミーラドラクエ1だけで使われなくなった呪文だけど、友達も「たいまつでいい」と言ってたから使わなかったけど、そもそも『ドラクエ1』のダンジョンってそんなに広くないし、広いのってガライの墓と竜王の城くらいだし。レミーラ使ってみても良かったんじゃないかと思うよね。やっぱダンジョンの雰囲気味わいたいし。たいまつだと違った意味で雰囲気出るけど。
そしてエンディング、王様が勇者に王位を譲ろうとすると、「いいえ、私が治める国は自分で見つけたいのです」と勇者。
勇者はローラ姫を連れて旅立つ。
そして100年後、勇者はローレシアサマルトリアムーンブルクという3つの国の元になる国を作り、チンギス・ハンも真っつぁおの征服欲を発揮していたことが判明する。
まあ矛盾はないけどね。別に無欲の表現じゃないし、王様になる気満々だし……アレフガルドももらっとけよ……。

 

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