昔大学の後輩が、名前は忘れたがドラゴンボールに影響を与えたか影響を与えられたかというアメコミの話をしたことがあった。
「へー、それどういうマンガ?」
と私が聞くと、
「ヤムチャがいっぱい出てくるマンガです」
と後輩。
ヤムチャ!?
その頃私はネットとつながっておらず、ヤムチャが戦力外代表になっているのを知らなかった。
ネットにつながってから、「ヤムチャオズ」「ヤムチャしやがって」などとネット民に言われているのを知った。
まず、『ドラゴンボール』(以下『DB』)では、基本的にサイヤ人以外はほとんど戦力外である。
天津飯に置いていかれたチャオズは、戦闘の場に出られないという意味で、本当の戦力外である。
これには理由がある。
チャオズは戦力能力の低さを超能力で補うタイプである。
しかし超能力というのが曲者で、強さのインフレ率の高い『DB』では、強い敵に普通に超能力が効いては強い敵を出した意味が無くなってしまう。
だからナッパには、チャオズの超能力は効かなかった。その後、チャオズはナッパとの心中を狙い自爆する。
チャオズを再び戦いの場に出しても、チャオズには自爆しか手がない。だからチャオズは、天津飯に置いていかれた。
ならばチャオズも超能力に頼らずに、戦闘力を上げればいいんじゃないかといえば、そうはいかないのである。
バトルメインのマンガで、小さい体では説得力がないのである。
悟空も最初は小さかったが、ギャグ要素満載のアドベンチャー路線だから問題なかった。
だから孫悟飯は、5歳の時に少年期の悟空(15歳まで)より体格が良く描かれている。
ならばチャオズの体格を良くすればいいと思う人は、あの顔で大人の体格になったチャオズを想像して見ればいいだろう。
しかし数字は忘れたが、サイヤ人編では、ヤムチャの戦闘力はクリリンと大きな違いはなかったと思う。(なぜかわからないが、ヤムチャの戦闘力は検索でヒットしない。一件だけ「超非公式」という名目で、サイヤ人編でのヤムチャの戦闘力があった。1480である。クリリンは1770)
ヤムチャの戦歴が良くないのは、クリリンの引き立て役だからである。
クリリンは日本人の好きな「弱いのに頑張るキャラ」で、亀仙人の修行を受けて以来、ヤムチャとクリリンはほぼ同等のレベルだと思っている。(クリリンが最長老に潜在能力を引き出されるまで)
実は、ヤムチャが戦力外代表になったのは、ブルマをベジータに獲られたからである。
よくプライドが高いといわれるベジータだが、カカロットに先を行かれて背中を丸めて悔しがるベジータは、それほどプライドは高くないと思っている。
しかしブルマの夫になりながら、ベジータはヤムチャを出入りさせて少しも動揺しない。
ベジータは働かないが、星の住民を全滅させる仕事をしていた宇宙人にサラリーマンをさせるのもひどい話だし、ブルマが金持ちだから問題はない。しかしそれでもという思いは出てくるものだが、それを補うのがヤムチャとの関係である。
ベジータがヤムチャに嫉妬しないことで、ベジータの株が上がるのである。
そして、悟空がセルゲーム以降死んでいた理由もこのあたりにある。 子煩悩、愛妻家とポイントを上げてきたベジータに対し、父親失格と言われた悟空が働く姿を、鳥山は想像できなかった。これが鳥山が悟空を死んだままにした一番の理由である。
『DB超』では悟空は農業をしているが、原作ではニートである。
『DB超』でも、最初の悟空の働く姿はひどかった。超サイヤ人になるたびに畑を穴だらけにし、とてもじゃないが収穫があるとは思えなかった。
もっとも最近は真面目に働く場面が増え、「孫さんとこの野菜は評判がいい」とまで言われてるが、これには理由がある。また後に語ろう。
さて、コキュとなったヤムチャである。 ブルマがベジータと結婚してもブルマの回りをうろつくヤムチャが、どう見えるだろうか?
「まだブルマに未練がある」
「食いつめてブルマのところに恵んでもらいに行っている」
と思われるのがオチだろう。
このような見方は主にネットで醸成され、故意に戦力外と見る空気ができあがった。
本来、ヤムチャは真面目には働かないかもしれないが好青年で、クリリンと同等の武道家だった。
『DB超』でのおおぼらを吹いたり、軽はずみな発言をしたり、都合が悪いと言うことをコロコロ変えるヤムチャは、この空気を取り入れてできあがったキャラである。
この間もヤムチャ主役の野球回があったが、ボールを気弾のように操作すれば「あいつもう武道家じゃないな」と18号に言われ、さんざんいたぶられた挙げ句、
なんで俺達これが何を意味するかわかるんだろうねー\(^o^)/
そして、戦力外通告されたヤムチャの代わりに、亀仙人が戦力になった。戦闘力139。
合掌。
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