ウクライナの戦争は、去年まではウクライナが圧倒的に優勢だった。
ところが今年になってから、ウクライナ軍の反転攻勢は進まない。
去年のウクライナ軍の圧倒的優勢の一番の理由は、サプライチェーンが崩壊して、ロシアに充分な物資が供給されていなかったのが大きいと思う。
去年は経済制裁も相応に聞いていた。まだグローバリズムの名残りが残っていて、ロシアを経済的に干していく力が強かった。
しかしアメリカ中間選挙で共和党が優勢になってからは、アメリカも武器援助が充分にできなくなり、NATO諸国もアメリカの援助不足の肩代わりをうまくできていない。また経済制裁については、NATO、EU諸国も足並がが揃っていない。
そして、サプライチェーンが再構築されて、ロシアにはしっかり物資が供給されている。これがウクライナ軍が去年ほど劣勢に立てていない一番の理由である。
そんな中、アメリカではトランプ元大統領がウクライナへの武器援助の停止を唱えている。今のところバイデン大統領とトランプ氏がぶつかった場合、両者五分五分で、もしトランプが勝てば、再来年には武器援助が停止されて、ウクライナ全土をロシアに占領されるということにもなりかねない。
ウクライナは中国の台湾侵攻の試金石だと言われているけど、どうなんだろうね。そう考えると、安全保障も難しくなってきたと思う。
去年はロシアもすっかり孤立してしまって、あと1年やれば戦争は終わるんじゃないかと思えるくらいだったが、そうもいかなそうである。
ワグネルのプリゴジンが飛行機の墜落により死んで、実際にはプーチンが殺したんだと思うが、これでプーチンが権力の座から落ちる可能性は当面なくなった。
もっともロシアにとってもこの戦争の継続は無謀で、いつかは革命という形で今の体制が終わることになると思うけど、それは今じゃない。
BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の世界全体に占める割合は、国土面積で29.2%、人口で42.7%、GDPは2014年の時点で30.2%で、EUの16.6%、アメリカの15.9%を上回っている。つまりアメリカ一辺倒でいいのかという問題がここに生じている。
ウクライナがロシアに占領されて、勢いに乗った共産圏が台湾侵攻の挙に出るかもしれないと覚悟しとかないと。
古代史、神話中心のブログhttp://sakamotoakiraf.hateblo.jp/もよろしくお願いします。