均衡の乱れが壊滅的な結果を生むというのであれば、我々には、殆どそれを防ぐ方法は残されていないのかも知れない。
— 原口 一博 (@kharaguchi) 2023年5月20日
均衡は、大きく崩れており20世紀の帝国は、その振る舞いのあまりの醜さの為に脆くも崩れ去って行っている。
そしてその事を自覚せぬまま戦争と搾取の手法を手放す事はない。 https://t.co/TwE2dqANRA pic.twitter.com/Aqc6C8FZdZ
立憲の原口一博議員は、ツイッターを見る限り非常に論理構成力が優れており、批判に対しても昨今の風潮に合わせて、毅然とした対応を取っておられるように思う。
今回の広島G7サミットは、ロシアのウクライナ侵略を受けて、拡大核抑止の合意を得るためのものだったと見るべきだろう。バイデン大統領がオバマ元大統領の路線を引き継がず、原爆投下について謝罪しない意志を表明し、各国首脳が揃って原爆慰霊碑に献花した。
広島という場所が選ばれたのも、核廃絶を謳う広島市に核保有国の首脳が集うことで、核廃絶は不可能であり、拡大核抑止の道しかないと人々に示すことで今後の日本の行く道を示したということだろう。
原口氏は、それに抵抗しているのである。
しかし面白いのは、この時期に拉致被害者を取り戻す話が、ツイッターで出ていることである。もちろん拉致被害者は取り戻さなければならない。
他にも、広島での反対デモも注目されている。デモ隊が機動隊と衝突したり、「広島市民じゃないだろう」とツイッターで言われたり。
原口氏は、ウクライナの情勢などを含めて、アメリカによる国際秩序が長く持たないだろうと見ているようである。
確かに、ロシアはベラルーシに戦術核を配備しようとしたし、去年は「核を使う」というプーチンの恫喝により空爆持たないままならなかったし、今もそうである。時々ロシアの反政府組織や親ウクライナ組織がロシア国内を攻撃しており、その度にウクライナは関与を否定しているが、はたしてどうだろうか。
それだけ、核保有国相手に戦争をするのは難しいのである。
バフムトは陥落した。バフムトの戦略的価値はそれほどないが、なおウクライナ軍が反転攻勢に出られないことが、この戦争の難しさを語っている。
原口氏は、アメリカを中心とした秩序がこれから崩れていくと予測しているようである。確かにトランプ氏が不正を追求されても次の大統領選に名乗り出、ウクライナ支援も批判され、ロバート・ケネディJr.は自分が大統領になれば世界中の米軍基地を撤退させると言っている。
「だから広島ビジョンで示された核軍縮ではなく、核廃絶」と原口氏は言う。
核廃絶が可能なのは、世界政府ができた時だと思う。そして世界政府は、どんなに早く見てもあと100年は成立しない。
世界政府。できなくても、世界には何らかの秩序が必要である。アメリカによる国際秩序が間違っているというなら、違う秩序のあり方を提示しなければならない。
ロシアがベラルーシに戦術核を配備しようとしたように、核保有国との戦争は難しいのである。そんな国が日本に攻めてきたらと考えると、核抑止は欠かせないのである。
原口氏の意見は、世界のアナーキーな核廃絶ではなく、アナーキーな世界秩序の中での日本の核保有となると思う。
核拡散を抑止するために、国家による領土の現状変更を認めない。それが国際秩序を維持する我々の対価なのである。
今の国際秩序は二次大戦後の秩序で、いずれは崩壊する。ウクライナの戦争もまた、その崩壊の一幕なのかもしれない。国家による現状変更は可能であるとなれば、現状の国際秩序は崩れていくのだから。
そしてユーラシアの西で国際秩序が崩れているのなら、極東で秩序を安定させるように心掛けることと、アメリカの力が低下した穴埋めはある程度しなければならないということである。