坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

「正しい戦争」の罠に騙されてはいけない

パレスチナの紛争について、ハマスが民間人を巻き込むのは国際法違反だということがよく言われたが、はたしてそれはどのくらい正しいのか?
ヨーロッパには「正戦」という思想がある。
キリスト教の神のの命じた戦争の遂行を義務とする聖戦概念と、穏健で必要最小限の暴力行使というストア派とローマ法に基づく概念を、古代ローマ神学者アウグスティヌスが結びつけたものである。これを「国際法の父」グロティウスが大成させた。
「戦争のための法(Jus ad bellum)」では、戦争が正しい戦争になる条件が5つ挙げられている。
1.   正しい理由(攻撃に対する防衛、攻撃者に対する処罰・攻撃者によって不正に奪われた財産の回復)の存在。
2.   正統な政治的権威による戦争の発動。
3.   正統な意図や目的の存在。
4.   最後の手段としての軍事力の行使。
5.   達成すべき目的や除去すべき悪との釣り合い。
「戦争における法(Jus in bello)」には、戦争が正しく行われるための条件がふたつ定められている。
1.   戦闘員と非戦闘員の区別。
2.   戦争手段と目的の釣り合い(釣り合い原則=不必要な暴力の禁止)。
で、「戦争のための法」と「戦争における法」は、勢力均衡のバランスが取れていて戦争当事者の国々が「正しい戦争」ができる状態にある場合にしか通用しないとしか思えないものである。もちろん相手の国の領土を徹底的に奪って滅ぼしたり、相手の領土を半分奪ったりして、すっかり恨まれてそれでもまともにやっては勝てなくて、それで「正しい戦争をしろ」と言われてその通りにできるかといえばそれは保証の限りではない。
この「正しい戦争」をしないとどうなるかといえば、領土と人民があっても国家として承認されない。
しかしこれも都合良く利用されているって観が否めないよね?
イスラエル建国時もパレスチナとの分割はこれだよ?

今はどうよ?

これで「正しい戦争」をしろって言われてもねえ……。
歴史上、「正しくない戦争」はいくらでもある。最近ではロシアのウクライナへの戦争だね。
でもロシアは向こうから攻めてきたから撃退するしかないけど、パレスチナの場合は「国として認めない」ではい終わりじゃなくて、イスラエル側にもハマスを「正しい戦争」の状態に戻す、つまり追い詰め過ぎない責任はあると思うね。
戦争が「正しい」かどうかは戦争の大義名分もあって、必ずしも全否定できるものじゃないけど、「民間人への攻撃は国際法違反」なんて言葉に簡単に踊らされるべきじゃないとは思うね。

イスラエルハマスの間に5日間の停戦が暫定合意されたそうで、ハマスは人質50人程度を解放するそうだ
これで戦争は終わりじゃないけど、まずはめでたい。

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