坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

「水瓶座の女」の著者坂本晶が、書評をはじめ、書きたいことを書きたいように書いていきます。サブブログ「人の言うことを聞くべからず」+では古代史、神話中心にやってます。 NOTEでもブログやってます。「坂本晶の『後悔するべからず』 https://note.com/sakamotoakiraxyz他にyoutubeで「坂本晶のチャンネル」やってます。

派遣の職業別労働組合を作ろう!

今の状況では、派遣社員は報われることのないまま殺されてしまう。
今年になってからの自殺者数を見てみよう。

3月に入って、自殺者数が増えている。
私は自殺者の統計と合わせて、ほぼ毎日人身事故の統計を見ているが、コロナ禍になって自殺者数と人身事故件数に解離現象が起こった。自殺者数は増えたのに、人身事故件数は下がったのである。2019年の人身事故件数は1049件だったのに対し、2020年の人身事故件数は989件である。
その理由を、私は派遣に法が正しく適用されていないことがわかったのに、抵抗できない者達の自己主張が弱くなったからだと推測している。
それが3月移行、自殺者数と人身事故件数は増加した。
自殺者数が増えているのに合わせて、人身事故件数も増えている。
今、正社員は派遣が権利に目覚めるのを最も恐れている。だから抑圧し、その結果自殺が増えており、人身事故件数も上昇に転じたのである。今のままでは今年の人身事故件数は1000件を越える。それに伴うストレスも相当なものだろう。

派遣社員が団結し、派遣社員を中心に非正規が固まればこの抑圧は止まる。
労働者派遣法では、事業所ごとの過半数の労働者の組合か代表者がいなければ派遣で同一業務に3年以上従事させることはできず、直接雇用しなければならない。
事業所ごとに過半数を占める労働組合が形成されるのは望ましくない。
しかしここで問題がある。労働組合法では差別的な扱いができないとなっており、正社員だからといって組合に加入できないとすることはできない。正社員でも望めば組合に加入させないといけないのである。
ひとつの方法として、経営側に派遣の組合だと認めさせれば労働組合としての条件をクリアしなくてもいいというのがある。しかし経営側に正社員を排した組合を認めさせるのは不可能に近いだろう。
だから最初は、正社員が組合への加入を求めたら受け入れざるを得ず、組合の人数が事業所の労働者の過半数を越えないように調整するようなこともできない。労働者の過半数を越えれば、労働者派遣法に則って派遣社員は派遣可能期限を延長して同一業務に従事させることができるようになる。
そうならないように、できることは三つだ。
ひとつは、社内のデータの改竄についての糾弾を組合が行っていくことである。
製造業で働いた私の経験として述べるが、ある時海外からクレームが来たとする。
そのクレームに対し会社が改善措置を取る。
しばらくしてまた違うクレームがくる。そのたびに考えていたことは、なぜそれまでなかったクレームが発生するのかということだった。
海外の観察力が上がったから、というのが私の推測である。
海外と言ったが、クレームが来たのはタイからである。それ以前からずっと取引はあったようなので、それまではタイでもクレームになるようなことはなかった。それがクレームになったのは海外の検査員の意識が高まり、それまで見ないところを見るようになったからである。
そしてその分、アジアと日本の経済力の差は縮まった。
この2、3年は海外からのクレームはなかったと思う。しかしそれは日本の製造業がクレームにならないくらいの問題解決力を身につけたことを意味しない。
大体、私がやってきた製造業では、取引先が検査しないところでは不正がそのままになっていると思っていい。私がやったことのある仕事でパーカー処理というのがある。

www.npk-japan.com

金属の表面に黒い膜を施す作業である。この作業で一時膜厚測定にゼロ板を使って膜厚測定をした時期があった。
ゼロ板というのは完全に平らな板のことである。膜厚測定は加工製品とパーカー処理後の製品の差をみるのだが、加工品には粗さがあり、それが膜厚に影響するからゼロ板を使ったということだろう。ところがゼロ板を使ってみると、ゼロ板を使わないよりも約3ミクロン膜が厚くなるようになった。しかも膜厚は10ミクロン以内でないといけないのだが、10ミクロンを越えてしまう場合が多かった。私はゼロ板を使うのと使わないのとで、どちらが正しいのかわからなかったが、一年以上経ってからだろうか、ゼロ板は粗さが0になるが、加工品で最初の設定をする時に粗さが柔らかさとなって設定に入っている。その柔らかいところから計測するのが正しく、ゼロ板では加工品の柔らかさも含めて膜厚として測定してしまうと推測した。
私がそのことをある正社員に話そうとすると、
「ゼロ板を使って測定すると決まってるんです」
で話を終わらせられた。人を馬鹿にするにもほどがある。私はゼロ板を使わない頃を知っているのだが、パワハラというものは相手に斟酌しないものである。
結局私が上司に話すと、ゼロ板は廃止され、元の測定方法に戻った。
ここで不正&パワハラの特徴、不確定な基準の絶対化が行われている。
私自身記憶しているが、ゼロ板を使うことになった時も「とりあえずこれでやってみよう」と上司は言っていたのである。
他にもパーカー処理で使われるパルホス液の全酸度というものがあるが、最初私に直に教えた正社員は「全酸度はセンターに近いほどいいんだ」と言っていた。センターとは全酸度の上限と加減の基準からみた中心のことで、その時の中心は45度だった。
ところが、全酸度が何度だと一番望ましいというのは実はわからないのである。
その後、センターは50度になった。
こういう不勉強な社員達は、立場の低い者により多くの負担を負わせるためだけにこんなことを言う。こういうのを何度も見ると、こいつらとことんは文明の利器が使いこなせないと思ってしまう。

私の擬装請負体験② - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

でも、設計図と実際の大きさが違うということを述べた。
このような不正は、正社員より非正規の方が追及しやすい。なぜなら不正とパワハラはセットになっているため、派遣への違法な扱いを隠蔽したい正社員は不正を止めることができない。不正を追及できる非正規は正社員の優位に立てる。
もうひとつは、会社の枠を越えて職業別労働組合を結成することである。
職業別労働組合のメリットは、仕事を辞めて同業の別会社に勤めても給料が下がらないように要求できることである。会社を辞めるたびに給料を下げられるなどバカバカしい。そして賃上げを要求していけば今までよりいい暮らしができる。派遣のために恋愛や結婚ができなかった者もそれができるようになる。
さらに組合を徴収してストライキの時の組合員の生活資金として積み立てれば、事業所の労働者の過半数を越えるために組合に入ろうという正社員はいなくなるだろう。もし過半数を越えても、

派遣社員の権利は裁判で勝ち取れ - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」

で述べたように裁判で権利を勝ち取っていけるのでそんなに神経質になることはない。
この日本で派遣社員の価値が他の誰よりも高いのは、単なる格差是正のためだけでなく、派遣社員こそが日本経済の衰退を止め、うまくいけば再生することができるからである。組合活動は非常に価値とやりがいのある活動である。全国の派遣社員よ、組合活動をやってみないか?

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